医師のみなさまへ

2022年5月28日

診療情報の提供に関する指針[第2版]

診療情報の提供に関する指針[第2版]

平成14年10月
日本医師会

1 基本理念

1-1 この指針の目的

日本医師会は、医師が診療情報を積極的に提供することにより、患者が疾病と診療の内容を十分に理解し、医療の担い手である医師と医療を受ける患者とが、共同して疾病を克服し、医師、患者間のより良い信頼関係を築くことを目的として、会員の倫理規範の一つとして、この指針を制定する。

日本医師会のすべての会員は、この目的を達成するために、この指針の趣旨に沿って患者に診療情報を提供する。

2 定義および適用範囲

この指針で使う主な用語の意味は、以下のとおりである。

2-1 この指針で使う用語の意味
  1. 診療情報
    診療の過程で、患者の身体状況、病状、治療等について、医師またはその指揮・監督下にある医療従事者が知り得た情報
  2. 診療録
    医師法第24条所定の文書
  3. 診療記録等
    診療録、手術記録、麻酔記録、各種検査記録、検査成績表、エックス線写真、助産録、看護記録、その他、診療の過程で患者の身体状況、病状等について作成、記録された書面、画像等の一切
  4. 診療記録等の開示
    患者など特定の者に対して、診療記録等の閲覧、謄写の求めに応ずること

3 診療情報の提供

3-1 診療情報提供の一般原則
3-2 診療の際の診療情報提供

a 診療中の患者に対する診療情報の説明・提供は、おおむね、次に掲げる事項を含むものとする。

b 患者が、「知らないでいたい希望」を表明した場合には、これを尊重する。

3-3 診療記録等の開示による情報提供
3-4 診療記録等の開示を求めうる者

診療記録等の開示を求めることができる者は、原則として次のとおりとする。

3-5 診療記録等の開示を求める手続き
3-6 費用の請求

医療施設の管理者は、診療記録等の謄写に要した代金等の実費を、診療記録等の開示を求めた者に請求することができる。

3-7 医療施設における手続き規定の整備

医療施設の管理者は、診療記録等の開示請求、実施、費用請求等に関する規定および申し立て書等の書式を整備する。

3-8 診療記録等の開示などを拒みうる場合

a 医師および医療施設の管理者は、患者からの診療情報の提供、診療記録等の開示の申し立てが、次の事由に当たる場合には、〔3-1〕、〔3-2〕および〔3-3〕の定めにかかわらず、診療情報の提供、診療記録等の開示の全部または一部を拒むことができる。

b 医師および医療施設の管理者が前項により申立の全部または一部を拒むときは、申立人に対して〔6-2〕に定める苦情処理機関があることを教示するものとする。

4 医師相互間の診療情報の提供

4-1 医師の求めによる診療情報の提供

5 遺族に対する診療情報の提供

5-1 遺族に対する診療情報の提供

6 その他

6-1 教育、研修

日本医師会および都道府県医師会は、医師がこの指針を遵守することを促すために、診療情報の提供、診療記録等の開示等に関する教育、研修などの措置を講ずる。

6-2 苦情処理機関の設置

医師と患者との間の診療情報の提供、診療記録等の開示に関する苦情受付の窓口および苦情処理機関を医師会の中に設置する。

6-3 指針の見直し

日本医師会は、この指針を、診療録その他の診療記録等の作成・管理に関する環境の整備、ならびに医療をめぐる諸条件の変化に適合させるため、2年ごとにその内容を見直す。ただし、必要があるときは、何時でも適宜、検討することができる。

附則(平成11年4月1日 制定)
  1. この改定指針は、平成15年1月1日から施行する。
  2. この指針は施行日以前になされた診療および作成された診療記録等については適用されない。
附則(平成14年10月22日 一部改定)

この改定指針は、平成15年1月1日から施行する。

付;指針の実施にあたって留意すべき点

指針1-1関係
指針3-1ないし3-8について
指針3-1 b関係
指針3-3関係
指針3-4関係
指針3-5および3-7関係
指針3-6関係
指針3-8関係
指針4-1関係
指針5-1関係
指針6-1関係
指針6-2関係

以 上

問い合わせ先

日本医師会 医事法・医療安全課 TEL:03-3946-2121(代)