木村熊本県知事との会談
木村熊本県知事との会談
松本吉郎会長は8月21日、「令和8年熊本地震」発災から2度目となる被災地視察を行うとともに、24日には「令和8年8月千葉豪雨」の被災状況を視察した。
熊本県知事に息の長い支援を約束
21日には、水足秀一郎熊本県医師会長と共に熊本県庁を訪問。木村敬熊本県知事にJMATの派遣状況など、日本医師会の対応について説明した。
木村知事はこれまでの支援に対して感謝の意を表明。「被災者も徐々に自宅に戻りつつあるが、戻った地域に医療機関がなくなってしまっては生活していくことはできない」として、国に支援を求める考えを示し、日本医師会にもその協力を求めた。
これに対し松本会長は、協力する意向を示すとともに、今後も日本医師会として、JMATを中心に息の長い支援をしていくことを約束した。
今回は最も被害の大きかった地域の一つである八代市を中心に視察を行ったが、西文明八代市医師会長、峯苫貴明八代郡市医師会長との意見交換では「改善しつつはあるものの、水不足が依然として課題となっている」「閉鎖していた医療機関では患者が戻っていないところもある」などの現状や、「はくおうⅡ」船内での医療活動などについて説明を受けた。
JMAT調整八代地域本部では、八代地域保健医療福祉調整現地本部会議に出席。これまでの支援活動に謝意を伝えるとともに、「復旧はしてきているとは聞いているが、日本医師会としては引き続き必要とされる支援を行っていきたいと考えている」と述べた。
また、同本部ではJMATに参加する医師から「日本医師会長に現地に来てもらい、直接激励していただくことは我々にとってもありがたく、励みにもなる」として、今回の訪問に感謝の声も聞かれた。
医師の派遣や患者の受け入れなどを行った八代北部地域医療センターでは、吉田光宏院長より、「在宅や避難所で暮らす方たちへの対応を考えれば依然としてJMATのニーズは高い」として、支援の継続などが求められた。
最後には熊本県JMAT調整本部を改めて訪問。渡辺悠統括JMAT東京(東京都医師会)と被災地の現状や課題について意見交換を行った他、被災地支援に取り組むJMATの医師等、医療関係者を激励するとともに、感謝の意を伝えた。
国に医療機関の被害の状況を伝える意向を表明
24日には、大濱洋一千葉県医師会副会長(千葉市医師会長)、秋谷弘樹千葉市医師会理事(災害医療担当)と共に、13日から14日にかけて発生した「令和8年8月千葉豪雨」で浸水等の被害を受けた千葉市内の医療機関を訪問。3施設を順に視察し、復旧状況や診療への影響、支援上の課題について、各院長から説明を受けた。
松本会長らはまず、中央区東千葉の榎本医院を訪れ、榎本靖子院長から説明を受けた。同院では(1)13日午後7時頃から14日午後4時頃まで停電し、床上約7センチまで浸水、(2)向かいの公園から土砂も流入し、スタッフが清掃に当たったものの、消毒業者の手配に時間を要し、診療再開が遅れた、(3)被災ごみが自治体に事業所ごみとして扱われ、処理できずに残っている―等の現状が示された。
次に、若葉区みつわ台のみつわ台クリニックを訪問。大山欣昭院長は、床上約50センチまで浸水し、低い位置のコンセントや電子機器本体が水に浸かったことで電気機器の大半が使用不能となり、診療できない状態になったと説明。水没した設備や医療機器の入れ替えが大きな課題となっているとのことであった。
最後に、稲毛区山王町の山王病院を訪れ、谷嶋隆之院長から説明を受けた。同院では、(1)地下1階の電源設備や非常用発電設備、医療物資を保管していた倉庫が完全に水没し、電気と水道の使用が現在も大きく制限されている、(2)120名を超える入院患者の転院調整・搬送のためDMATが派遣され、14日午後4時から一部患者の転院を開始した―とのことであり、院長は、患者の安全を最優先に対応を進め、24日までに入院患者の転院を完了したことを報告した。
千葉豪雨の被害と課題を確認
視察を終えた松本会長は、浸水等で生じた被災ごみが事業所ごみとして扱われて自治体の処理対象とならない上、医療廃棄物でもないことから医療廃棄物処理業者にも引き取ってもらえずに、敷地内に残されている現状を問題視。また、水没して使用できなくなった医療機器の更新には多額の費用が必要となる一方、補償の適用条件が厳しく、十分な支援を受けにくいことにも懸念を示した。
その上で、「被災した医療機関が一日も早く診療機能を取り戻せるよう、現場の実情を国や関係行政機関にしっかりと伝えていく」と述べ、日本医師会として対応を検討していく考えを示した。
なお、日本医師会では25日に開催された第14回常任理事会において、千葉県医師会に対して当座の支援として、災害対策積立資産より見舞金を送ることを決定した。



