

令和7年度都道府県医師会事務局長連絡会が2月27日、日本医師会館小講堂で開催された。
城守国斗常任理事の司会で開会。冒頭、あいさつした松本吉郎会長は、日本医師会の会務に対する、都道府県医師会の常日頃からの協力に謝意を示すとともに、今年度をもって退職となる4名の県医師会事務局長に対して感謝と労いの言葉を掛けた。
その上で、昨年11月1日、女性医師バンクから改称して誕生した「日本医師会ドクターバンク」に言及。今後、各都道府県医師会との結び付きを強化することでドクターバンクの事業内容を強化するとともに、日本医師会と都道府県医師会が強みを生かしながら、相互補完的に事業に取り組んでいきたいとして、引き続きの協力を求めた。
続いて、令和7年度に退職となる、村田暁俊(埼玉県)、森島直美(神奈川県)、荒木誉史(島根県)、佐伯彰二(山口県)各県医師会事務局長に対して、松本会長から感謝状が贈呈され、佐伯氏から謝辞が述べられた。
議事では、松岡かおり常任理事が「日本医師会ドクターバンク事業について」と題して講演を行った。
同常任理事はまず、日本医師会が「平成19年より運営していた女性医師バンクの仕組みと経験を応用できる」「日本全国を網羅する医師会組織との連携ができる」などの理由から、厚生労働省の「医師偏在是正に向けた広域マッチング事業」の実施事業者として令和7年4月に選定されたことを改めて報告。
その上で、(1)国の医師偏在是正に向けた総合的な対策パッケージ、(2)日本医師会ドクターバンクの現状、(3)業務提携のお願い、(4)有料職業紹介事業所を取り巻く課題―について解説した。
(1)では、昨年成立した改正医療法の中にもその内容が盛り込まれた本対策パッケージは、令和6年12月に厚労省によって取りまとめられたものであると説明。その中では、医師偏在を是正するための具体策として、①経済的インセンティブ、地域の医療機関の支え合いの仕組み、医師養成過程の取り組み等の総合的な対策②医師の柔軟な働き方等に配慮した中堅・シニア世代を含む全ての世代の医師へのアプローチ③地域の実情を踏まえ、支援が必要な地域を明確にした上で、従来のへき地対策を超えた取り組みが必要であること―などが示されていると紹介した。
更に、全国的なマッチング機能の支援やリカレント教育支援、都道府県と大学病院等との連携パートナーシップ協定等の実行性のある施策をあわせることによって、将来にわたって国民皆保険が維持されるよう、国、地方自治体、医療関係者、保険者等の全ての関係者が協働して医師偏在対策に取り組むとされており、日本医師会ドクターバンクもその取り組みの一つであるとした。
(2)では、昨年11月の改称以降、11月単月の求職医師登録数は昨年度比で約4倍、求人施設登録数は42件から518件に急増したものの、マッチングについては、登録業務に人手が取られていることもあり伸び悩んでいる現状を報告。その上で、その解消策として、「人員増」「業務分業」などを考えているとした他、地域ドクターバンクとの連携を進め、コーディネート業務を移管できる体制を構築することで、地域での成立を進められるようにするなど急増した負荷を減らしていく意向を示した。
更に、ホームページの動線を整理することで利便性を向上させるとともに、医師から寄せられる、医師ならではの相談にきめ細やかな対応ができる仕組みを検討しているとコメントした。
(3)では、2月27日現在で、既に3医師会及びハローワークとの提携が完了しており、2医師会が当該医師会理事会での承認待ち、6医師会2団体が内諾済みであること等を紹介した。
(4)では、医師の地域偏在や診療科偏在が進む中で、民間の有料職業紹介事業所に頼らざるを得ない事態が生じていることや、有料職業紹介事業の高額な手数料が、公定価格で運営される医療機関の財務基盤の弱体化を招き、医療界に深刻な影響を及ぼしていることに危機感を表明。「日本医師会と都道府県医師会が緊密にネットワークを組み、このような問題に対応できるよう、ドクターバンクを強いシステムにしていきたい」と述べ、協力関係をより一層強化することへの理解を求めた。
その後は、茂松茂人副会長から「医師年金」について、「医師であるからこそ加入可能な制度であり、加入促進に向けた協力をお願いしたい」と呼び掛け、連絡会は終了となった。



