社会保障審議会医療保険部会並びに高額療養費制度の在り方に関する専門委員会が昨年12月25日、都内で合同開催された。
当日は医療保険部会でのこれまでの議論について整理した案の最終的な議論が行われ、修正を座長一任とすることで了承した。
議論の整理(全文):https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001623089.pdf
出席した城守国斗常任理事は主に、(1)出産に対する支援の強化、(2)国民健康保険組合に係る見直し、(3)高額療養費制度の見直し、(4)OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直し―について、それぞれ意見を述べた。
(1)では、これまで、自由診療と出産育児一時金で対応してきた出産について、出産費用の現物給付化と保険診療に現金給付を組み合わせた「出産に対する給付体系の骨格の在り方」が示されたことに対し、「妊婦が安心して出産できる『出産の無償化』を目的に設計された制度であるが、全国の分娩(ぶんべん)施設が従来どおり運営できる制度とすることが絶対条件である」と強調。
更に、制度変更後も運営していくことができるかは、「現物給付」と「妊婦への現金給付」それぞれの水準によると思われるが、現場から非常に多くの不安の声が上がっていることを紹介し、「制度変更によって地域の周産期体制にゆがみが生じることがあれば、安心して出産できなくなる状況が起こり得る。絶対にそのようなことのない制度設計をお願いしたい」と要望した。
また、今後については、「具体的な議論に関しては引き続き本部会や中医協で行われるものと思うが、その際には現場に混乱が生じない水準設定及び頻回な影響検証と適切な対応を求めたい」とした。
その上で、「新たな制度が妊婦の経済的負担の軽減や、子どもを産みたいという思いにつながるばかりでなく、地域の周産期医療を守る分娩施設、特に一次施設が分娩を引き続き頑張ろうと思えるような、双方にとって安心・安全な分娩につながることを実感できる制度にする必要がある」と強調した。
(2)では、厚生労働省事務局から唐突に提案された補助率引き下げに関して、改めて反対する意向を示すとともに、万が一実施された場合には、引き下げの対象となった組合の実態について、しっかりと検証することを要望した。
(3)では、①令和8年8月から実施される、一人当たり医療費の増額を踏まえた限度額見直し②令和9年8月に実施が予定されている、現行の所得区分を更に3区分ずつ細分化する見直し③今回の見直しで新たに設定された「年間上限額」―について、それぞれ説明があったことに対して、「専門委員会や本部会の議論を踏まえ、事務局及び政府において検討を重ねた結果と受け止めており、今回の見直しの方向性及び考え方は理解する」と述べるとともに、今回の変更に当たっては国から国民に対してその内容をしっかり説明するよう求めた。
(4)では、令和9年3月実施を目指し、OTC類似薬について別途の保険外負担(特別の料金)を求める新たな仕組みを導入することについて説明がなされた。
これに対しては、長期収載品の選定療養の負担割合が2分の1に引き上げられることを踏まえ、「両制度にまたがる薬剤等、自己負担額が過重にならないよう丁寧な制度設計をお願いしたい」と述べるとともに、制度設計で過度な負担増となる人が生じないよう、さまざまなケースについて確認することを求めた。



