閉じる

令和7年(2025年)9月20日(土) / 日医ニュース

特別寄稿 第5回野口英世アフリカ賞について

第5回野口英世アフリカ賞授賞式 全景第5回野口英世アフリカ賞授賞式 全景

第5回野口英世アフリカ賞授賞式 全景第5回野口英世アフリカ賞授賞式 全景

 第5回野口英世アフリカ賞授賞式(内閣総理大臣主催)が8月22日、天皇皇后両陛下のご臨席を賜り、東京の明治記念館において開催されました。
 授賞式には、アフリカ各国の代表や国際機関等から、約140名にご参加頂きました。
 第5回の受賞者は、医学研究分野がアブドゥライ・ジムデ博士(マリ共和国)、医療活動分野がDNDi(顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ)〔スイス・ジュネーブ(本部)〕です。
 ジムデ博士は、分子寄生虫学を専門とする研究者であり、30年間にわたる研究成果は、マラリアの制圧に大きく貢献し、アフリカ各国政府やWHOの保健政策にも重要な影響を及ぼしました。
 また、アフリカ16カ国による共同研究のためのネットワークを設立し、研究体制を構築するとともに、アフリカの若手研究者育成にも取り組んでいます。
 DNDiは、「顧みられない病気」に対する治療薬・治療法の開発・提供に取り組む非営利組織です。アフリカで深刻な四つの疾病(アフリカ睡眠病、リーシュマニア症、小児HIV感染症、マラリア)等に対する新しい治療薬・治療法を開発・提供するとともに、アフリカ睡眠病に対する初の経口治療薬の開発・提供、同病流行国の研究機関や専門家が参加するネットワーク「HATプラットフォーム」の設立等、同病の治療においても多大な貢献を果たしています。
 野口英世アフリカ賞は、野口英世博士の功績にちなみ、アフリカの保健分野で顕著な功績のあった方々を顕彰する日本の国際賞です。小泉純一郎内閣総理大臣(当時)の発案により、2006年の閣議決定に基づき創設されました。
 受賞者は野口英世アフリカ賞委員会(委員長:國井修公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金CEO)が最終候補者を選定した後、内閣総理大臣が決定し、アフリカ開発会議(TICAD)の機会に合わせて授賞式が実施されています。
 歴代の受賞者の方々は、本賞の賞金を活用して医師の研修教育や新たな公衆衛生プロジェクトの実施にも取り組まれており、本賞を通じて、更にアフリカへの支援の輪が広がっています。
 日本医師会におかれましては、野口英世アフリカ賞の創設以来、寄附金の募集等に際して多大な貢献を頂いています。この場をお借りして、改めまして深く御礼申し上げます。
 今後、本賞が多くの方々に支援頂けますことを願っております。

内閣府野口英世 アフリカ賞ホームぺージhttps://www.cao.go.jp/noguchisho/award/05/ceremony.html

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる