松本吉郎会長並びに笹本洋一常任理事は10月30日の定例記者会見で、同日公開した医師会会員情報システム「MAMIS(マミス)」について、その概要を説明した。
松本会長は、まず、「日本医師会長に就任して以来、最優先課題として医師会の組織強化に取り組んできた」と述べた上で、会内の医師会組織強化検討委員会からの提言を基に検討を進めてきたMAMISについて、長年、紙でやり取りされてきた医師会の入会・異動・退会などの手続きのWEB化を実現する仕組みであることを説明。
また、今回の公開に至るまでに、昨年12月の開発開始に先立ち行われた会員情報管理の現状についてのヒアリングや、MAMISの理解促進のため、本年5月から各ブロックや都道府県医師会で合計49回開催した説明会など、多数の都道府県医師会並びに郡市区等医師会に協力頂いたとして、深い感謝の意を示した。
MAMISの機能については、「公開日時点では、最大の目的である入会などの諸手続きを行う機能に限定されているが、今後、順次機能拡張を行っていく」とした上で、「今後は医師の先生方、医師会事務局双方の利便性の向上、効率化の実現を目指していく。まだ生まれたばかりのMAMISを大きく成長させて、全国の医師会業務のDX化に寄与したい」と強調した。
引き続き、担当の笹本洋一常任理事がMAMIS構築の経緯を含め、その詳細について解説した。
同常任理事はまず、会内の医師会組織強化検討委員会より、「全国の会員・医師会が共通で利用可能な入退会・異動等のWEB手続きシステムの構築」の提言を受け、全国の都道府県医師会並びに郡市区等医師会等の協力を得ながら開発を進めてきたことを説明。MAMIS開発の背景としては、これまでの日本医師会への入会等の届け出は、複写式届出用紙を用いて、郡市区等医師会と都道府県医師会を経由し、例年4万件以上を日本医師会で受領していること、すなわち医師会の三層構造を合わせると年間12万件超の届け出が全国医師会において処理されていることとなり、そのための事務局負担は非常に高く、医師の届け出に係る負担も大きかったことも挙げられるとした。
MAMISで可能になることに関しては、各自の情報を管理するマイページを通じて、入会等の申請をWEB画面上のポータルサイトから行うことができる他、その利用対象は、日本医師会の会員ばかりではなく、全医師会とその所属会員並びに各医師会が開催する研修会等に参加される非会員医師となっており、日本医師会の呼び掛けに応じた各医師会に関する情報及び会員情報が投入されているとした。
その機能については、当面、入会・異動・退会の手続きのWEB化に注力した機能制限した試行的運用となるが、2025年4月公開を目標に利用者が「生涯教育」「かかりつけ医機能研修」「認定産業医」「認定健康スポーツ医」等の研修会の参加申し込みから、受講管理・単位管理、取得単位を基に認定申請まで行える研修管理機能を開発中であることを明らかにした。
更に、今後は会費に関する計算機能や減免申請など、利用状況等も鑑みながら順次機能を公開する予定であるとした。
その上で、笹本常任理事は、MAMISの活用により会員の手続き負担が軽減 し、ペーパーレスの促進により医師会業務のDX化を図ることで組織強化の一助にもつなげることが可能になると指摘するとともに、各医師会の会員情報消失の防止や災害対策等にも貢献できるとして、MAMIS活用の意義を強調した。
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