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令和6年(2024年)10月15日(火) / 「日医君」だより

加藤財務大臣に医療機関の窮状を説明し、補正予算での対応を求める

 松本吉郎会長は、10月10日に城守国斗常任理事と共に財務省に赴き、10月1日に発足した石破内閣において財務大臣に就任した加藤勝信大臣と会談を実施。大臣就任への祝意を伝えるとともに、長引く物価高騰、政府主導で進められている賃上げに対応することによりますます苦しい経営状況に置かれている病院を始めとする医療機関に対し、補正予算による支援を要望した。

 会談の冒頭、松本会長は医療機関の経営状況について、コロナ禍以降、患者数が戻っていないことに加え、さまざまなコロナ補助金が廃止されたことにより、2024年6月時点の医業利益率・経常利益率は共に前年度比で大きく悪化していることを説明。

 また、(1)令和6年春闘の結果、全産業での賃上げ合計額は5.10%の上昇であったのに対し、令和6年度診療報酬改定で創設されたベースアップ評価料による上昇は2.5%にとどまっている、(2)令和6年度診療報酬改定により入院時食事療養費が約30年ぶりに引き上げられたが、本年6月以降の消費者物価指数の上昇から見ると十分とは言えない、(3)電気・ガス料金の他、円安の影響等もあり、医療材料費も上昇が続いている中で、公定価格により運営する医療機関・介護事業所等は価格に転嫁できない―こと等を指摘。地域を面として支えている医療機関・介護事業所等を支援するためにも、補正予算における対応を求めた。

 会談に同席した城守常任理事も、コロナ禍以降、さまざまな要因により医療機関経営は年々悪化しており、このままでは地域医療体制の維持が困難になりかねないと窮状を訴えた。

 これに対し加藤財務大臣は、医療機関・介護事業所等が置かれている状況に一定の理解を示し、支援の必要性は認識しているとした上で、現在の状況の原因となっている医療界に特有の事情について、更に詳細な分析が必要した他、実態にそぐわない制度的な部分は運用でカバーすることも一つの方法ではないかと指摘した。

 また、加藤財務大臣が「地方創生臨時交付金」といった形での支援は必要ではあるものの、それだけでは本当に必要なところに行きわたらず、薄く広い支援となってしまうとの危惧を示したことに対して、松本会長も同調。現状について深い分析を行うとともに、これからの医療提供のあり方等についてもビジョンを描きながら、日本医師会としても新政権とも協力し、引き続き地域医療を守っていく意向を伝えた。

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