「第31回日本医学会総会2023東京」記者発表会が2月22日、日本医師会館小講堂で開催された。
本総会は、「ビッグデータが拓く未来の医学と医療~豊かな人生100年時代を求めて~」をテーマとして、東京国際フォーラム及び丸の内・有楽町エリアで学術集会や学術展示、博覧会などが現地とWEBを併用したハイブリッド方式で開催されることになっている。
冒頭あいさつした松本吉郎会長は、本総会がハイブリッド方式で開催されるばかりでなく、会期終了後にはオンデマンド配信で聞き逃した講演等を聞くことができるなどの新しい取り組みが行われることに触れ、「普段診療に忙しい先生方には大変喜ばれるのではないか」との認識を示すとともに、ダイバーシティ推進委員会や若手の医師で構成するU40委員会による企画が行われることにも言及。「医学界や社会に大きなインパクトを与えるものになる」として、その成果に期待感を示した。
また、一般の方々に対しては、「大変興味深い企画がたくさん用意されているので、ぜひ、この機会を利用して、医学の世界に親しんで欲しい」と呼び掛けた。
門田守人日本医学会長は、「本総会を、医療を始め社会全体の近代化をいかに図るべきなのか、医療界ばかりでなく、国民の皆さんと一緒に考える機会にしたい」と述べ、多くの国民が参加することに期待を寄せた。
引き続き、本総会の基本構想を説明した春日雅人第31回日本医学会総会会頭(朝日生命成人病研究所長)は、「AI、IoT、ロボティクスなどの技術革新を核とした第4次産業革命が進行し、社会は歴史的な転換点を迎え、医学・医療も大きく変わろうとしている中で、未来の医学と医療のあり方を考える必要がある」と指摘。本総会をそれらの解決策を考えるための開かれた議論の場とすることに意欲を示した。
門脇孝同準備委員長(虎の門病院長)は、現地とWEBを併用したハイブリッド方式での開催となること、春日会頭の発案により、ダイバーシティ推進委員会を設けて企画が考えられたこと等、本総会の内容を概説。
また、ビッグデータをテーマとした学習漫画を制作し、博覧会場で配布する予定であることを明らかにした。
その他、南学正臣学術委員長(東京大学教授)からは、総会の五つの柱に基づいて行われる学術プログラムについて、岡野栄之広報委員長(慶應義塾大学教授)からは、開会記念特別講演会(4月20日)や19のテーマからなる市民向けセッション(4月22、23日の2日間)の内容や、新型コロナウイルス感染症などをテーマとした医師向けの学術プログラムの一部を市民にも公開で行うこと等に関して、それぞれ説明がなされた。
また、青木茂樹展示委員長(順天堂大学教授)からは、(1)幅広い分野の健康情報・医療情報を集積したイベントである「博覧会」を4月15日から23日まで開催する、(2)オンライン博覧会、医学史展については、既にオンラインで公開を始めている―ことなどの紹介が行われた。
本総会のプログラム等については、本総会の公式ホームページ(https://isoukai2023.jp/)等をご参照の上、ぜひ、ご参加願いたい。