令和2・3年度 会内委員会答申・報告書(全文は日本医師会ホームページ「メンバーズルーム」に掲載)
男女共同参画委員会(委員長:越智眞一滋賀県医師会長)は、会長諮問「地域における男女共同参画の推進」を受け、2年にわたる検討を重ねた上で答申書を取りまとめた。
本答申は、「はじめに」「1.医師会活動と男女共同参画」「2.各種制度と男女共同参画」「3.男女共同参画のための勤務環境整備」「4.さらなる男女共同参画推進のために」「おわりに」で構成されている。
「1.医師会活動と男女共同参画」では、医師会会員数の女性割合が増加傾向にある一方で、女性の代議員や役員は少ない現状であることをデータで示すとともに、その解決策として、女性の役員数を女性の会員割合と同程度にするクオータ制の導入が提案されている。
また、女性の割合が高い若年層が医師会活動に参加することで女性医師の更なる増加が見込めるため、積極的に若年層に参加してもらうことの重要性が記載されている。
「2.各種制度と男女共同参画」では、男女共同参画の視点から各種制度のあり方を提言。その中でも特に、新医師臨床研修制度、新専門医制度、地域枠制度は医師偏在を増長させるといった問題もあることから、若者に寄り添った制度設計と制度に関する情報を確実に周知できる手段の構築が重要であるとしている。
「3.男女共同参画のための勤務環境整備」では、子どもの預け先の問題や多様な働き方の推進など、勤務環境整備に向けた具体例を提案するとともに、コロナ禍において子どもがいるエッセンシャルワーカーが勤務できないことが社会問題となったことを踏まえ、有事に医師が働き続けられる仕組みの構築の必要性が記されている。
また、オンライン会議の急速な発展により、ライフイベントを抱えた人達にとってはキャリアを積む好機となっている一方、ハイブリッドで会議が開催されることの多い学会等では、主催者の費用負担が増えている問題にも触れ、会議方法のノウハウを蓄積して提供することで費用低減を図ることができないか提案している。
「4.さらなる男女共同参画推進のために」では、男女が平等に参画するためには女性のヘルスケアが必須であることを指摘するとともに、「キャリアを積むことは最短距離を効率的に進むことではなく、医師としての自覚を持ち続け、それぞれのペースで働き続けることが大事である」というメッセージを若い医師達へ伝えている。
なお、巻末には、男女共同参画委員会の取り組みとして、男女共同参画フォーラムの次第や都道府県医師会の取り組みに関するアンケート結果がまとめられている。