松本吉郎会長は8月2日、釜萢敏常任理事、平井伸治全国知事会長と共に厚生労働省を訪問し、日本医師会と全国知事会で取りまとめた新型コロナウイルス感染症の感染者の全数把握に代わる事務負担の少ない仕組みへの変更を求める要望書を後藤茂之厚労大臣に手交した。
要望書の中では、「BA.5」による新規感染者数の爆発的な増加により、現在の医療・保健現場は、感染症発生届の作成・入力や提出等の事務処理、入院勧告に係る全案件を協議会に諮る手続き等に膨大な人的リソースとエネルギーを割かれ、本来実施するべき感染者に対する医療・保健サービスの提供や積極的疫学調査等が展開できていないと指摘。政府に対しては、こうした実情に沿って、現在感染症法上現場に強制されている感染者の全数把握に代わる事務負担の少ない仕組みへ変更するよう、即刻の英断を求めている。
当日は、平井全国知事会長が要望書の内容を概説。松本会長は現場の負担感を少しでも減らすことができればとの思いから今回要望させてもらったとその背景を説明した。
これに対して、後藤厚労大臣は、「厚労省としても問題意識は共有しており、これまでHER―SYSの入力情報の簡素化などを行ってきた」と述べるとともに、全数把握については、「感染状況を把握するという意味でも意味がある」と強調。「今回の申し入れを踏まえて、現場の負担感解消のために何ができるのか検討させて欲しい」として、理解を求めた。