政府と日本医師会並びに日本看護協会との意見交換が4月30日、総理官邸で行われた。 政府から菅義偉内閣総理大臣、田村憲久厚生労働大臣、河野太郎新型コロナウイルスワクチン接種推進担当大臣が、日本医師会から中川俊男会長、今村聡副会長が、日本看護協会から福井トシ子会長、勝又浜子専務理事がそれぞれ出席。中川会長は菅総理にワクチン接種推進に全面協力する意向を伝えた。 |
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冒頭あいさつした菅総理は、7月末までに高齢者に対する新型コロナウイルスワクチンの接種を終える考えを記者会見で表明したことに触れ、「その目標を達成するため、日本医師会、日本看護協会の皆さんにはもう一段の協力をお願いしたい」と要請。政府としても、休日や夜間の接種に協力した医師への対価の大幅な引き上げや、医師の派遣に協力した医療機関に対する支援を行う意向を明らかとした。
続いてあいさつした中川会長は、全国の医師会では自治体と連携しながら、地域の実情に応じて、集団接種とかかりつけ医による個別接種を適切な形で組み合わせた接種体制の構築に向け、取り組みを進めていることを説明。国民の生命と健康を守るためにもワクチン接種を推進し、一気に収束への道筋をつけることが必要だとして、全面的に協力していく考えを伝えた。
更に、中川会長はワクチン接種を推進していくためには、各医療機関における個別接種が最大の戦力になると強調。今こそ我々医師や医師会がリーダーシップと底力を発揮する時だとして、4月28日には引き続きの協力を求める依頼文(日医発第116号)を、都道府県・郡市区医師会長宛てに発出したことを報告した。
福井日本看護協会長は、ワクチン接種に向けた看護職確保に向けた同協会の取り組みを説明。国に対しては、看護師の派遣に向け都道府県ナースセンターと自治体とのマッチングの円滑化や、看護師派遣事業に対する支援の継続などを要請した。
その後に行われた意見交換では、中川会長がワクチン接種推進のためにも、より柔軟な対応、各自治体間の温度差の解消が必要になると指摘。
また、「個別接種を進めるためには、地域のかかりつけ医にワクチンを小分けにして配送できるようにすることが大事になる。その際には、地域の医療機関の実情を熟知している医薬品卸の活用をお願いしたい」と述べた。
今村副会長は、「今後、ワクチンを供給していくに当たっては、現場が混乱することのないようにして欲しい」と要請。これに対して、河野大臣は「温度、ロット番号、接種記録をしっかり管理してもらえれば、ワクチンを自治体間や医療機関間で融通することもできるようにした。引き続き、医療現場が困ることのないようにしていきたい」と応じた。
問い合わせ先
日本医師会健康医療第2課 TEL:03-3946-2121(代)