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令和3年(2021年)1月20日(水) / 「日医君」だより

第21回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会

 第21回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会が1月18日、日本医師会館でWEB会議により開催された。

 冒頭あいさつした中川俊男会長は、「誰もが必要な時に適切な医療を受けられる体制に戻すためには、あらゆる取り組みを強化・徹底しなければならない」と指摘。日本医師会としても、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会、全国自治体病院協議会と共に、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる病床を確保するための新たな組織を設置し、1月20日に初会合を開催する意向を示すとともに、「COVID19-JMAT」による宿泊療養・自宅療養者の健康フォローアップへの協力などに対する更なる支援等を求めた。

 当日の議事は、(1)新型コロナウイルスワクチンの接種(厚生労働省)、(2)新型コロナウイルス感染症対応日本医師会休業補償制度加入状況報告、(3)G-MISの改修、(4)日本医師会「年末年始の医療提供体制に関する緊急調査」、(5)病床数の国際比較、(6)新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の取扱い等、(7)新型コロナウイルス感染症に関する補助事業、(8)COVID19-JMAT活動、(9)高齢者施設等の感染対策―についてであった。

 (1)では、釜萢敏常任理事が「ワクチンの接種をいかに円滑に行うかが我々医師の務めだ」として、地域の実情に応じた接種体制の構築を要請。日本医師会としても副反応の情報等、接種するか否かの判断に資する情報を速やかに提供していく意向を表明。オブザーバーとして参加した厚生労働省からは資料に基づき、ワクチン接種のスケジュールや医療機関委託での住民への接種体制、医療従事者への接種等について説明がなされた。

 これらの説明に対して、都道府県医師会からは「日本医師会にワクチン接種に関する対策本部をつくり、情報発信して欲しい」(大阪府医師会)、「アナフィラキシーショックに関する対応マニュアルをつくって欲しい」(沖縄県医師会)といった要望や、「感染防止、クラスターの発生を防ぐためにも、介護関係者や警察関係者への優先接種を検討すべき」といった意見も出された。

 (2)に関しては、今村聡副会長が1月13日時点で8,203施設の加入があることを報告。加入者増や補償金請求時に必要な休業証明書の確認等に対して、引き続きの協力を求めた。

 (3)、(4)、(5)については、釜萢常任理事が説明を行った。

 (3)では、G-MISの改修により、「ID発行数が増えても安定的に稼働ができる」「厚労省からの通知文書が探しやすくなる」などのメリットがあるとした他、新システム移行後もログインIDの変更はなく、パスワードのみ新しく設定する必要があることなどを解説した。

 (4)では、調査への協力に感謝の意を示した上で、都道府県医師会の約8割、郡市区医師会の6割近くで、年末年始の医療提供体制が構築されている状態にあったことを説明。医療機関や保健所に必要な資質を備えた人材が不足しているなどの課題も明らかになったとし、今後は、厚労省とも課題を共有し、きめ細かな対応をしていきたいとした。

 (5)では、病床数の国際比較に基づき、「日本は諸外国に比べて病床数が多いにも関わらず、医療崩壊が進んでいるのは医療関係者の努力が足りないのではないか」との指摘は誤りであることを説明。各地域において、それぞれの医療機関の果たすべき役割を明確にし、連携していくことが大事になると強調した。 

 (6)、(7)に関しては、松本吉郎常任理事が解説。(6)では、厚生労働省からの発出文書を基に、新型コロナウイルス感染症患者を地域包括ケア病棟入院料等の特定入院料を算定する病棟に入院させた場合、地域一般入院基本料を算定できることなど、診療報酬上の臨時的な取り扱いを説明。(7)では、「発熱外来診療体制確保支援補助金の申請が診療・検査医療機関(仮称)に指定された医療機関の約半数からしか申請がない」として、早期の申請を求めるとともに、国に対して補助金の早期交付を要請していることを明らかとした。また、「新型コロナ患者の入院受入医療機関への緊急支援」「医療機関・薬局等における感染拡大防止等支援事業」について新たなQ&Aを説明した。

 これらの説明に対して、兵庫県医師会からは「老人保健施設において本来医療機関に入院すべき人に行った医療行為について、施設の負担とならないよう、保険で対応してもらえるようにして欲しい」との要望が出された。

 (8)については、長島公之常任理事が1月12日までに、27291人(宿泊療養施設に5,414人、地域外来検査センター(PCR外来)に21,351人、その他526人)の派遣を行っており、昨年12月からその数が急増していることなどを報告した。

 (9)に関しては、江澤和彦常任理事から、厚労省から発出された事務連絡を基に、介護保険施設等において、退院基準を満たすため、新型コロナウイルス感染症患者について、医療機関(受け入れ予定の医療機関を含む)から退院患者を受け入れた場合は、人員基準等の柔軟な取り扱いが可能になることなどを説明。高齢者介護施設等における感染対策も今後重要になるとして、「介護施設及び介護事業所における感染対策力向上支援業務検討委員会」が作成した『介護職員のための感染対策マニュアル』『感染対策普及リーフレット』の活用を呼び掛けた。

 最後に改めてあいさつした中川会長は、新型コロナウイルス感染症の感染が全国的な広がりを見せる中で、ワクチン接種への国民の期待は大きいとして、スムーズな接種に向けた協力を求め、連絡協議会は終了となった。

 次回は2月16日に開催される予定となっている。

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