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令和2年(2020年)11月5日(木) / 各地の医師会から / 日医ニュース

新型コロナウイルス感染症に係る行政検査実施に伴う唾液検体採取方法に関する動画の制作に関して―宮城県医師会―

 新型コロナウイルスに対するPCR検査は、当初は鼻咽頭ぬぐい液のみであった。しかし、4月下旬にテレビのニュースで、検体として唾液でも良いのではという見解が報道され、大変興味を持った。官邸や厚生労働省に関係者を通して唾液検体でのPCR検査の検討をお願いしていたが、5月7日頃に、当時の横倉義武会長が要請し、その日から本格的な検討に至った。
 その後は、ご存じのように唾液でのPCR検査も承認され、外の自家用車内で自分で採取すれば、職員へのリスクはかなり減ることから、かかりつけ医で検体採取時の一番の候補になると考えた。
 しかし、感染症の専門家でもない医師が多い中で、いかに効率よくリスクを少なくして採取し、梱包するかについては、やはり具体的な手順を視覚的に分かりやすく示す必要があるのではないかと考えた。それが今回の動画制作のきっかけである。
 制作に当たっては、当健康センターでは新型コロナウイルスのPCR検査も行っていることから、職員の意見も参考とした。また、厚労省の東北地方担当者を介して、感染症専門家の医師にも意見を求めた。
 このようにして完成したものが今回の動画であり、東北各県、県内の必要とする医療機関へCD―ROMの配布を行うとともにURLも紹介した。URLは別掲のとおりであり、ぜひ、皆さまにもご参照願いたい。
 9月29日の報道では、北海道大学の豊嶋崇徳教授らは、無症状の濃厚接触者群や旅行者群約2000名の鼻咽頭ぬぐい液と唾液による比較を行い、「統計学的解析では、共に約90%の予想感度であり鼻咽頭ぬぐい液に加えて、唾液による検体採取方法も、標準的手法となる」と述べている。
 私は、この唾液自己採取による方法は、簡便で感度も良くリスクも低い良い方法と考えている。この動画をご覧になって、より使い勝手の良い方法を各方面で工夫されて、更に広がることを期待している。
唾液検体採取動画
https://drive.google.com/file/d/1h2Kg_m5FmEtYBDaJ0cJ_T1f1jEp9B8-f/view?usp=s

(宮城県医師会会長/宮城県医師会健康センター所長 佐藤和宏)

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