東京都内の新型コロナウイルスの感染者数が7月9日、感染が確認された一日の人数としては過去最多となる224名となったことを受けて、中川俊男会長は同日、見解を公表し、国民に自覚をもった行動をするよう呼び掛けた。
見解の中で、中川会長は、今回200名を超える感染者が確認された要因について、緊急事態宣言の解除以降、人の移動も活発になり、その中で感染防止対策に対する意識が薄れがちになったことによる気の緩みがある可能性があると分析。若い世代の感染者は、軽症あるいは無症状の方が多いが、一方で、本人に自覚がなくとも家族や友人、高齢者など、他者にうつしてしまう可能性があるとして、いま一度、「自分がうつらない、ひとにうつさない」という自覚を持った行動、特に3密のうち、密接、密閉(具体的にはマスクを外して唾液が飛び交うような環境、接待を伴う飲食や、飲み会で騒ぐこと)を避けることを求めた。
更に、中川会長は感染者数の増加自体について、「検査体制が整い、検査数そのものが増えた結果でもあり、数字だけに惑わされる必要はない」とする一方、陽性率、重症患者数、ハイリスク者の感染状況等を踏まえ、医療提供体制が逼迫することのないよう注視することが求められるとし、今後も東京都医師会をはじめ全国の医師会との連携を強固にし、更なる新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでいく考えを示した。
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東京都の新型コロナウイルスの感染状況を踏まえた
日本医師会の見解 本日(7月9日)の東京都内の新型コロナウイルスの感染者数は、1日の感染が確認された人数としては過去最多となる224名であるとの報道がなされた。 東京都の発表では、本日の感染者の内訳は30代以下が82%とのことであるが、7月以降、いわゆる「夜の街」の関係者や若い世代に多く感染が見られている。 また、これまで最も多くの感染者数を確認したのは4月17日の206人であり、このときの検査数919件(陽性率22.4%)であったのに対して、今回の検査数は3400件(陽性率6.6%)とのことである。 緊急事態宣言の解除以降、人の移動も活発になり、その中で感染防止対策に対する意識が薄れがちになり気の緩みにつながっている可能性もある。 新型コロナウイルスの特徴として、若い世代の感染者の方は、軽症あるいは無症状の方が多いが、一方で、本人に自覚がなくとも家族や友人、高齢者など、他者にうつしてしまう可能性がある。 明日から大規模イベントに対する更なる緩和が実施されるが、東京都に限らず、全国の皆様には、いま一度、「自分がうつらない、ひとにうつさない」という自覚を持った行動をお願いしたい。 特に3密のうち、密接、密閉を避けてほしい。具体的にはマスクを外して唾液が飛び交うような環境、接待を伴う飲食や、飲み会で騒ぐのはしばらく控えていただきたい。 感染者数の増加自体は、検査体制が整い、検査数そのものが非常に増えた結果でもあり、数字だけに惑わされる必要はないが、陽性率、重症患者数、ハイリスク者の感染状況等を踏まえ、医療提供体制が逼迫することのないよう注視が必要である。 この点については、従来、日本医師会としても非常に危惧しているところであり、東京都医師会をはじめ全国の医師会との連携を強固にし、さらなる新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでまいる所存である。 令和2年7月9日
日 本 医 師 会 会長 中川俊男 |
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