第13回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会が5月22日、テレビ会議システムを利用して、日医会館で開催された。
冒頭あいさつした横倉会長は、5月21日に関西の3府県の「緊急事態宣言」が解除されたことについて、「解除された地域においても、再拡大の兆候に常に注意を払いながら、これまでと同様に、特段の警戒と万全の備えをお願いしたい」と述べた。
また、現在編成作業が進められている第2次補正予算について、自民党から示された提言には、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の大幅増額や、減収となった医療機関への経営支援などが盛り込まれていることを説明。「これらの要望を実現していく中で、医療提供体制等の維持・拡充に努め、国民の生命と健康を守っていく」として、引き続きの支援を求めた。
議事では、まず、羽鳥裕常任理事が日医作成の『新型コロナウイルス感染症外来診療ガイド第2版(暫定版)』を紹介。さまざまな方からのご指摘を受けて、第1版に加筆修正を加えたものであるとして、その活用を求めた。
釜萢敏常任理事は、5月21日に新型コロナウイルス緊急事態宣言の区域並びに基本的対処方針の変更が決定したこと、また、5月25日には基本的対処方針諮問委員会が開催され、緊急事態宣言の解除について議論が行われることなどを説明。都道府県医師会に対しては「第2波、第3波に備え、各地域の医療提供状況を把握するとともに、どれだけ検査ができるかについても検討をしておいてもらいたい」と要望した。
その他、釜萢常任理事は厚生労働省が作成した『新型コロナウイルス感染症(COVID-19 )診療の手引き・第2版」の改訂のポイントとして、「血栓症のリスクが高いことが強調されている」「診断基準に抗原検査キットが追記された」「人工呼吸管理の観点から肺炎を2つに分類し、効果的に管理するとされている」―ことなど、その内容を解説した。
松本吉郎常任理事は、(1)PCR検査について、日医の強い要望を受けて、5月15日に厚労省から疑義解釈通知が発出され、「無症状の患者であっても、医師が必要と判断し、実施した場合は算定できる」旨が示された、(2)令和2年度診療報酬改定における施設基準の届出に係る臨時的な取り扱いとして、5月29日までに要件審査を終え、届出の受理が行われたものについては、5月1日に遡って算定が可能となった―こと等について説明。その他、厚労省に対しては、当面の資金繰り対策として、診療報酬の前払いなどの対応や、DPC病院においてPCR検査の結果が陽性、陰性にかかわらず、出来高で算定できるよう要望していることを明らかとした。
都道府県医師会との質疑の中では、奈良県医師会から、時限的措置として認められている初診からのオンライン診療について、恒久的な取り組みとする旨の報道があることについて、日医の考えを問う質問が出された。これに対して、松本常任理事は、今回の措置は特例中の特例、例外中の例外という考えに変わりはないことを改めて強調。今村聡副会長は、「医療関係以外の国会議員にも理解を得られるよう、羽生田俊参議院議員に協力を依頼した」と述べるとともに、都道府県医師会に対しても協力を求めた。
岡山県医師会が陰性の証明を求められる事案が増えることへの懸念を示したことに対しては、釜萢常任理事が「証明が出せないことは既に通知が出されており、引き続き、事業者、患者に理解を求めて欲しい」と要請した。
栃木県医師会は、院内感染が起きた場合の医療機関の責任について質問。城守国斗常任理事は、「標準的な感染防止対策を取っていれば、裁判になったとしても敗訴することは考えにくいが、防止対策を取っていたことを記録として残しておくことが必要になる」と指摘。万が一、裁判になった場合には、日医としても全面的にバックアップしていく考えを示した。
その他、福島県医師会からは、看護学校の生徒が医療機関での実習を断わられていることへの対応、神奈川県医師会からは、秋に向けてインフルエンザの流行と重なった場合の対応方針の明示などの要望がそれぞれ出された。
◆映像でご覧いただけます。(メンバーズルーム内の掲載となります)
⇒映像配信 コロナウイルス感染症関係
問い合わせ先
日本医師会健康医療第2課、総務課TEL:03-3946-2121(代)