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令和2年(2020年)4月13日(月) / 「日医君」だより

第7回新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会

 第7回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会が4月10日、テレビ会議システムを利用して、日医会館で開催された。

 当日の議事は、(1)新型コロナウイルス感染症対策専門家会議での議論について、(2) 新型コロナウイルス感染症流行期におけるオンライン診療について、(3) 新型コロナウイルス感染症に伴う医療保険制度について、(4)宿泊施設・在宅にて療養するコロナ軽症者等に対する診療について、(5) COVID-19 JMAT派遣について、(6)外国人からの電話相談支援について、(7)新型コロナウイルスに関連した感染症発症に伴う医薬品の安定供給について、(8)介護施設等における感染拡大防止対策に係る支援について、(9)緊急事態宣言における介護事業所に関する基本的対処方針について、(10)社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点にについて、(11)その他であった。

 冒頭あいさつした横倉会長は、「わが国の現状は少しでも気を許せば、感染爆発が起きかねない瀬戸際にある」との認識を示し、あらゆる機会を通じて国民に意識改革と行動変容を求めていく考えを表明。「緊急事態宣言」の対象となった7都府県以外においても、引き続き、感染拡大防止に向けた準備を進めていくよう要請した。

 当日は、まず、(1)について、釜萢敏常任理事は「緊急事態宣言」の対象地域を7都府県とすることを専門家会議で了承した経緯等を説明。国民に求められている行動変容に関しては、どの程度進んでいるのか評価する必要があるとした上で、現在その研究が進められているとして、結果がまとまり次第、公表される予定であることを明らかとした。

 また、PCR検査に関しては、「医師が必要とした検査が実施されることが大事になる」と述べ、改めて都道府県に対して、行政と協力し、PCR外来をつくるなどの体制整備を求めた。

 神奈川県医師会は日医に対して、PPEの着脱方法等を説明するビデオの制作を要請。石川広己常任理事は、日本環境感染学会制作のビデオを日医のホームページに掲載する準備を進めていることを説明し、その活用を求めた。

 (2)については、今村聡副会長が「初診も含め、電話や情報通信機器で医療機関へアクセスし、適切な対応が受けられる仕組みを整備する」ことなどが盛り込まれた「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」が閣議決定されるまでの経緯を説明した上で、今回の措置はあくまでも時限的なものであり、医師の判断が重要になるとした。

 松本吉郎常任理事は、「都道府県協議会が重要な役割を果たすことになる」として、初診によるオンライン診療に関してもしっかりとした検証・協議が行えるよう、都道府県行政との連携を要請。加えて、「電話等を用いた初診料(214点)」が特例的に創設したことなど、持ち回りで当日開催された中医協において了承された事項について解説した。

 (3)については、松本常任理事が、4月8日に開催された中医協において了承された診療報酬上の特例措置等について報告。厚労省に対しては引き続き、柔軟な対応を求めていく考えを示した。

 (4)に関しては、釜萢常任理事が「宿泊療養のマニュアル」並びに「自宅療養中の患者へのフォローアップ及び感染管理対策」の内容を概説。この件に関連して、石川常任理事は、東京都医師会が出務医師派遣について協力している軽症の新型コロナウイルス感染症患者用の宿泊施設を自ら視察したことを報告。「清潔ゾーンと汚染ゾーンがしっかりと分けられており、今後このような方策を実施するに当たっての原型になりうるものであった」とした。

 大阪府医師会からは、「宿泊施設を退所する際に実施するPCR検査の担い手」並びに「軽症者は全て自宅に待機させるとの方針が大阪府知事から示されていること」に対する日医の見解について質問。釜萢常任理事は「防護体制を取った上で、医師会にPCR検査の実施に向けた協力をお願いしたい」と述べるとともに、「自宅待機は感染をかえって広げてしまう可能性があり、問題がある」との考えを示した。

 奈良県医師会から、日医に標準的な治療方法を示すよう求められたことに対しては、羽鳥裕常任理事が会員向けの診療ガイドラインを作成中であることを説明。「できあがり次第、日医のホームページに掲載したい」と述べるとともに、その活用を求めた。

 また、この問題に関連して、沖縄県医師会からは家族への感染を懸念し、ホテルから出勤している医療従事者がいることが紹介され、国に経済的な支援を要請するよう求める意見も出された。

 (5)については、石川常任理事が、JMAT活動の特例として、「COVID-19 JMAT」と称したJMATを、要請のあった都道府県に派遣することを決めたことを報告。派遣の際の協力を改めて求めた。

 (6)に関しては、松本常任理事が4月10日から1カ月強の期間、AMDA国際医療情報センターが行っている医療相談事業の事業費の一部を日医が支援することになったことを説明した。

 (7)については、長島公之常任理事が、日医からの要請を踏まえ、厚生労働省医政局経済課から日本薬剤団体連合会等宛てに宛てに発出された事務連絡「新型コロナウイルスに関連した感染症発生に伴う医薬品の安定供給」の内容を紹介。この件に関して、兵庫県医師会はBCGワクチンの流通に偏在が起きているとして、その改善を求めた。

 (8)、(9)、(10)に関しては、江澤和彦常任理事が介護施設等における感染拡大防止に係る支援内容や、社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点等を厚労省作成のQ&Aを基に説明した。

 (11)では、石川常任理事が加藤勝信厚労大臣に、新型コロナウイルス感染症の拡大防止や感染患者を診療している医療機関への支援を求める要望書を提出したこと、釜萢常任理事が日医が都道府県医師会を対象として行った「医療機関に対するマスク等の安定供給に向けた緊急調査」の結果を、それぞれ報告。道永麻里常任理事は、医療従事者に対する風評被害が起きていることを踏まえ、医療従事者への理解を求めるために日医が制作した動画を紹介し、その活用を求めた。

 最後に、中川俊男副会長が、「本協議会は貴重な情報交換の場となっている。先生方から頂いた声を基に今後も対応していきたいと考えているので、引き続きの協力をお願いしたい」と述べ、連絡協議会は終了となった。

新型コロナウイルス感染症

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