定例記者会見 8月22日
今村聡副会長は、日医の女性医師支援の状況、今後の方向性について改めて報告した。
東京医科大学の入試に関する問題については、8月3日に日医として見解を公表した(別記事参照)ところであり、文部科学省では全国81の医学部医学科を対象に緊急調査が実施されている。
日本社会の中で女性の活躍が進んでおり、医療界においても女性医師の数が今後ますます増加することが予想される一方、昨今、医師の働き方が取り沙汰されている中で、とりわけ女性医師の働き方、勤務環境づくりが注目されていることを踏まえ、今回の会見は日医の取り組みを詳細に紹介するために行われたものである。
同副会長はまず、日医の女性医師支援の取り組みは、平成10年度の「女性会員懇談会」の設置より始まり、今年度で21年目になること、女性医師を取り巻く環境の改善と男性医師の意識改革を目指す「男女共同参画フォーラム」の開催は、今年度で14回目を迎えることを説明した。
また、平成18年度には、厚生労働省から「医師再就業支援事業」を受託し、平成19年1月に「女性医師バンク」を開設。平成21年度には事業名を「女性医師支援センター事業」に変更し、就業斡旋(あっせん)に加え、都道府県医師会や学会の協力を得て、講習会等による啓発活動にも注力するなど、その取り組みを強化しているとした他、医学生や研修医の時期から男女共同参画やワークライフバランスについて理解してもらうことを目的とした「医学生、研修医等をサポートするための会」や、女性医師がキャリアを中断することなく就業を継続するために、病院長を始め上司・同僚等、組織の理解を深めることを目的とした「女性医師の勤務環境の整備に関する病院長、病院開設者・管理者等への講習会」なども開催していることを紹介した。
その上で、同副会長は今後、AIやICTの発展に伴い、医師の働き方に変化が起こることが想定されるとともに、医師の働き方改革においても女性医師の活躍の場が広がることが重要な要素となることを踏まえ、自身が女性医師支援センターのセンター長として参画している厚労省の「医師の働き方改革に関する検討会」において、日医が昨年度8年ぶりに実施した「女性医師の勤務環境の現況に関する調査」の結果について説明したことに言及。
更に、同検討会で示された「『医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組』の実施状況」の中でも女性医師支援の取り組みが多く取り上げられているとし、「日医としても、多様性が求められる女性医師の働き方を踏まえ、女性医師が仕事を継続し、キャリアアップできるよう、きめ細やかな支援体制の構築とその充実に努めていきたい」と述べ、その具体的な方策として、ホームページの充実や来年1月に「女性医師支援・ドクターバンク事業担当役職員連絡協議会(仮称)」を開催予定であることを挙げた。
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日本医師会女性医師支援センター TEL:03-3946-2121(代)