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平成30年(2018年)2月20日(火) / 日医ニュース

医療法及び医師法等の改正などで加藤厚労大臣と会談

医療法及び医師法等の改正などで加藤厚労大臣と会談

医療法及び医師法等の改正などで加藤厚労大臣と会談

 横倉義武会長は1月31日、厚生労働省を訪問し、加藤勝信厚労大臣と主に(1)医療法及び医師法等の改正法案、(2)医師の働き方改革、(3)賃金請求権に関する労働基準法の見直し、(4)情報通信機器を用いた診療、(5)予防・健康の推進への医師の関与―の5点について、会談を行った。
 横倉会長は、(1)について、医師少数区域に勤務した医師に係る管理者要件の対象となる病院は地域医療支援病院の一部とし、今後も限定的に運用するべきと指摘。また、日本専門医機構に関しては、より積極的に同機構を支援するとともに、ガバナンスの強化、適切・迅速な対応に協力していくとした上で、専門医の仕組みはあくまでもプロフェッショナル・オートノミーによる運営を大原則とし、国、都道府県の要請は謙抑的であるべきと重ねて主張した。
 (2)に関しては、「地域医療の継続性」と「医師の健康への配慮」を両立させることが重要だと強調するとともに、医師の労働時間短縮が地域医療に及ぼす影響を具体的に説明。今後、日医、四病院団体協議会、若手勤務医等により、医療界が主体的に医師の働き方を検討する組織を立ち上げる考えを伝えた。
 (3)については、民法改正を受け、賃金請求権に関する消滅時効期間の変更だけが前倒しで施行された場合の地域医療への影響を危惧。その変更についても、経過措置等の対応を求めた。
 (4)については、「対面診療が原則」「対象患者は、かかりつけ医による継続的な対面診療を一定期間行う必要がある」「初診の患者への遠隔診療は認められない」「遠隔診療の対象は有効性や安全性が確認されている一定の疾患に限るべき」との考えを説明。その上で、オンライン診療には、保健医療福祉分野PKI認証局の発行する電子証明書による医師資格確認を行うよう要望した。
 (5)に関しては、医療側が予防により医療費の伸びを抑えている姿勢を経済界、ひいては財務省に示す必要があるとするとともに、日医でも縦割りとなっていた会内の予防・健康部門を再編し、かかりつけ医機能を強化して健康寿命を延伸していく考えを改めて伝えた。
 これに対して、加藤大臣は一定の理解を示した上で、(2)について、医療界で意思統一を図っておく必要性を指摘。(3)に関しては、「本日の意見も踏まえ、これから議論していきたい」と述べた。
 また、(4)については、「いざという時は、地元の医師が患者さんを診るという体制を整えておくことも大事になる」との考えを明示。(5)に関しては、「ぜひ引き続き協力して欲しい」と述べた。
 その他、当日はゲノム情報を活用したがんの予防・治療の将来性についても意見交換を行った。

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