核戦争防止国際医師会議(IPPNW)日本支部理事会並びに総会が5月14日、広島県医師会館で開催され、新設された日本支部代表支部長に横倉義武会長が就任することになった。
IPPNWは、核兵器廃絶と核戦争防止を共通の目標として活動する医師組織連盟であり、特定のイデオロギーや政党の影響を受けないことを信条とし、核戦争の脅威に対して、医療の専門家としての影響力を行使し、正しい知識の普及に努めており、現在、世界64カ国に数十万人の医師、医学生、医療従事者などの会員を擁している。
日本支部は1982年に創設され、各地の医療団体がIPPNWの活動をしているが、昨今、世界における核バランスが大きく変化していることを踏まえ、医師による核兵器廃絶への活動を、まずはわが国で更に活発化させるため、平松恵一広島県医師会長、蒔本恭長崎県医師会長の強い要請により、今回、横倉会長が日本支部代表支部長に就任することになった。
総会後に行われた就任記者会見には、平松広島県医会長、蒔本長崎県医会長、桑原正雄広島県医副会長、朝長万左男IPPNW副会長(長崎大学名誉教授)、片岡勝子IPPNW日本支部事務総長(広島大学名誉教授)らが出席。
横倉会長は、「IPPNW日本支部が掲げる『医師としての使命に基づき、医学・生物学的立場から、核戦争防止のために可能な限り努力を払う』とする理念を全国規模で展開していくための推進役を担うことで、今回、日本支部代表支部長にご推挙頂いたことに応えていきたい」と述べるとともに、この重要な職責を果たすべく、今まで以上にこの問題に関する考えを深め、行動に移していく決意を示した。
また、本年10月に世界医師会会長に就任することにも触れ、その活動の中においてもIPPNW日本支部の活動を世界に周知し、国民の健康をあずかる立場から核戦争の防止を強く主張していくとした。
その他、当日の理事会並びに総会では、支部長を二人体制とすることを決め、平松広島県医会長、蒔本長崎県医会長が就任することになった。