カロリーなんて気にしないで、おいしいものを食べたいだけ食べられればいいのですが、そんなウマイ話はありません。いまの日本では、普通に食べてもカロリーオーバーになってしまいます。
健康になるための第1ステップ。まず自分にとっての1日の推定エネルギー必要量のめやすを知っておきましょう。
あなたの「1日に必要な推定エネルギー必要量」は?
推定エネルギー必要量は、エネルギー消費量を計るもっとも正確な手法である「二重標識水法」という方法で導き出されます。
1日に必要な推定エネルギー必要量 = ①基礎代謝量 × ②身体活動レベル
計算に関してもっとくわしく!
① 基礎代謝量
基礎代謝量は、早朝空腹時に快適な室内等においての安静時の代謝量です。 基礎代謝量を求めるには、基準代謝基準値と参照体重を掛け合わせます。
参照体重における基礎代謝量
性別 | 男性 | 女性 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
年齢 | 基礎代謝基準値 (kcal/kg体重/日) | 参照体重 (kg) | 基礎代謝量 (kcal/日) | 基礎代謝基準値 (kcal/kg体重/日) | 参照体重 (kg) | 基礎代謝量 (kcal/日) |
1 - 2 | 61.0 | 11.5 | 700 | 59.7 | 11.0 | 660 |
3 - 5 | 54.8 | 16.5 | 900 | 52.2 | 16.1 | 840 |
6 - 7 | 44.3 | 22.2 | 980 | 41.9 | 21.9 | 920 |
8 - 9 | 40.8 | 28.0 | 1140 | 38.3 | 27.4 | 1050 |
10 - 11 | 37.4 | 35.6 | 1330 | 34.8 | 36.3 | 1260 |
12 - 14 | 31.0 | 49.0 | 1520 | 29.6 | 47.5 | 1410 |
15 - 17 | 27.0 | 59.7 | 1610 | 25.3 | 51.9 | 1310 |
18 - 29 | 23.7 | 64.5 | 1530 | 22.1 | 50.3 | 1110 |
30 - 49 | 22.5 | 68.1 | 1530 | 21.9 | 53.0 | 1160 |
50 - 64 | 21.8 | 68.0 | 1480 | 20.7 | 53.8 | 1110 |
65 - 74 | 21.6 | 65.0 | 1400 | 20.7 | 52.1 | 1080 |
75以上 | 21.5 | 59.6 | 1280 | 20.7 | 48.8 | 1010 |
② 身体活動レベル
身体活動レベルとは、1日あたりの総エネルギー消費量を1日あたりの基礎代謝量で割った指標です。
- レベル Ⅰ
- 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
- レベル Ⅱ
- 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合
- レベル Ⅲ
- 移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合
※15~69歳の活動レベルの例です
年齢階級別にみた身体活動レベルの群分け(男女共通)
年齢 | レベル I(低い) | レベル II(ふつう) | レベル III(高い) |
---|---|---|---|
1 - 2 | - | 1.35 | - |
3 - 5 | - | 1.45 | - |
6 - 7 | 1.35 | 1.55 | 1.75 |
8 - 9 | 1.40 | 1.60 | 1.80 |
10 - 11 | 1.45 | 1.65 | 1.85 |
12 - 14 | 1.50 | 1.70 | 1.90 |
15 - 17 | 1.55 | 1.75 | 1.95 |
18 - 29 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
30 - 49 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
50 - 64 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
65 - 74 | 1.45 | 1.70 | 1.95 |
75以上 | 1.40 | 1.65 | - |
推定エネルギー必要量+α
推定エネルギー必要量は平均値を算出していますが、年齢や状況に併せてエネルギー量をプラスする必要があります。
- 乳児・小児の場合
- 身体の成長を考慮して、「エネルギー蓄積量」をエネルギー必要量に追加します。
- 妊婦の場合
- 胎児と母体の組織の増加を考慮して、「エネルギー付加量」をエネルギー必要量に追加します。
- 授乳期の場合
- 泌乳に必要なエネルギーと産後の体重増加を考慮して、「エネルギー付加量」をエネルギー必要量に追加します。
「適正体重」= BMIが22となるための体重を!
エネルギーの指標として「体格BMI(body mass index)」を重視するようになりました。体重を維持するためにはエネルギーの摂取と消費のバランスをとることがたいせつ(エネルギー収支バランス)という考え方です。この数値が22であるときが「適正体重」「標準体重」といい、統計的にももっとも病気にかかりにくい体重とされています。22というのは目標とするBMIの範囲の真ん中にある数値ですので下記の表を参考にしてください。
目標とするBMIの範囲(18歳以上)
年齢 | 目標とするBMI(kg/m2) |
---|---|
18 - 49 | 18.5 - 24.9 |
50 - 64 | 20.0 - 24.9 |
65 - 74 | 21.5 - 24.9 |
75以上 | 21.5 - 24.9 |
※男女共通。あくまで参考の数値です。※本ページは厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)を元に作成しています。
オーバーウエイトは生活習慣病を引き起こす原因になります。自分の適正体重を知って、それを維持していくことが健康づくりにはたいせつです。それでは、あなたの「適正体重」をしらべてみましょう。