さいたま赤十字病院 鑓田晋治さん・齊藤達也さん
院内の医療機器を操作・管理するプロフェッショナル
臨床工学技士(Medical Engineer, ME)は、25年前にできた比較的新しい専門職です。左下図の履修科目一覧を見てもわかるように、医学系と工学系の両方の知識を求められる職種です。病院内では「機械のプロ」として活躍しており、実際MEを目指す人には「メカ好き」が多いそうです。そんなMEの仕事について、さいたま赤十字病院の鑓田さんと齊藤さんにお話を伺いました。
MEの仕事内容は3パターンに分かれます。
1つ目は、医療機器の操作業務です。医師の指示のもとに、人工心肺を使う手術や、心臓カテーテル検査・治療をする際に使用するような医療機器を操作する仕事です。その技術を習得するには、数か月のトレーニングを要するそうです。
2つ目は、機器の保守点検・安全管理です。院内で使用されている人工呼吸器・補助循環装置などが正しく動いているかを随時点検し、看護師など他職種から質問があればそれに答えます。院内で機器の操作について研修を行うのもMEの仕事です。
3つ目は、透析室での臨床業務です。透析業務の経験を積むにつれて、患者さんの状態に応じた適切な速度がわかってきたり、気分が悪くなるタイミングを見極められるようになるといった「医療者の勘」も磨かれてくるそうです。機器を見るだけでなく、患者さんを見て機器を調整する場合もあるようです。
鑓田「当院ではME全員が医療技術部という部署に所属しており、曜日毎に担当が変わるローテーション制で業務を行っています。実際に働く場所はICU・手術室・透析室など様々なので、担当が変わっても業務情報をスムーズに引き継げるよう、毎朝ME全員でカンファレンスを行っています。」
医療機器の相談役としてぜひ頼ってほしい
医療の高度化に伴い、複雑な機器を扱うMEの重要性は高まっています。そんなMEからの、将来の医師たちへのメッセージです。
齊藤「現場で医療機器に触れていると、先端医療の要として働いている実感が持てます。私たちも現場のニーズに応えられるよう、医療機器メーカーや学会から、常に最新の情報を得るように心がけています。ですので、MEをプロとして認め、私たちの知識や技術をうまく活用してくれる先生と一緒に仕事ができたら嬉しいですね。機器に関して困った時や新しい機器を導入する時は、ぜひ相談してもらいたい。互いに信頼し合いながら仕事をしていきたいです。」
※この記事は取材先の業務に即した内容となっていますので、施設や所属によって業務内容が異なる場合があります。
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