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令和6年(2024年)5月5日(日) / 南から北から / 日医ニュース

セイウチと恐竜と私

 私はセイウチを眺めることが好きです。
 ある時水族館で出会ったセイウチにひとめぼれし、それから全国各地の水族館をめぐり、セイウチを鑑賞することが趣味の一つとなりました。
 とはいえ、セイウチが見られる水族館は全国で九つしかなく、九州では大分県の「うみたまご」でしか見られないため、私は『海獣図鑑』というセイウチ情報満載の図鑑を購入し、家でもセイウチを眺められるようにしています。わしゃわしゃのひげ、Yogiboのような幸せフォルム、賢さとユーモアを感じさせる丸い目、そして神々しい2本の白い牙。セイウチの故郷である北極圏に想いを馳せながら図鑑を眺めるだけでも心が癒やされます。
 そんな私の隣で『恐竜図鑑』を広げ、熱心に恐竜の名前や特徴を覚えているのは3歳になる息子です。生物を愛でる楽しさを共有できることがうれしく、近頃は家族で博物館に足を運んで恐竜の化石に皆で興奮したり、恐竜の番組を夢中になって見たりして楽しんでいます。
 息子と恐竜について学んでいく中で、命をつなぐことは簡単ではないということを深く知りました。
 それは、動物や人間も同じだと思います。さまざまな進化の過程を経て現在の姿となり、同じ時代にセイウチが生きてくれている奇跡と、たくさんの困難をくぐり抜け、私達に命をつないでくれた先祖に感謝し、これからもセイウチの推し活を楽しんでいきたいなと、ちょっと大げさながらも思うこの頃です。

福岡県 福岡市医報 NO.689より

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