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第1288号(平成27年5月5日) |
今村聡副会長
「COP21に向けた国の対応と病院・診療所への支援方策」並びに「水銀に関する水俣条約の追加的措置の施行に向けた水銀血圧計・水銀体温計の廃棄処理方法の整備」に関して望月環境大臣に財政支援等を要望
今村聡副会長は四月六日,環境省を訪れ,望月義夫環境大臣に「第二十一回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)に向けた国の対応と病院・診療所への支援方策」に関する要望を行った.
日医ではこれまで,四病院団体協議会と共に,一九九七年の京都議定書を基本に「病院における地球温暖化対策自主行動計画」を策定し,CO2排出原単位を年率一・〇%削減する目標設定を行うなど,地球温暖化対策に関するさまざまな対策を行ってきた.
今回の要望は,気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change:IPCC)の厳しい第五次評価報告書を受け,本年末に開催されるCOP21(パリ)において,京都議定書の締結時とは全く異なる国際環境の中で,ハード面中心でなくては対応できない大幅なCO2の削減目標が設定されることが予想されることから取りまとめられたもので,その中では,(1)COP21に向け,公定価格によって運営され,通常以上の設備投資が制限される病院・診療所等に配慮した削減目標の設定(2)削減目標のみならず,目標達成のための,病院・診療所等に対する低炭素排出型施設・機器整備等,ハード面への支援方策(3)地球温暖化対策推進本部はもとより,環境省,経済産業省,資源エネルギー庁における検討において,環境変化から影響を受ける「人の健康」と関わりがあり,かつ「エネルギー・ユーザー」である日医等が意見を述べることができる場の設置(4)参加事業者数の非常に多い,民間病院業界の低炭素社会実行計画策定,及びフォローアップ作業への財政的支援─の実施を強く求めている.
また,同日,今村副会長は,望月環境大臣に対して「水銀に関する水俣条約の追加的措置の施行に向けた水銀血圧計・水銀体温計の廃棄処理方法の整備」についても要望を行った.
同副会長は,二〇一三年十月の外交会議で採択された「水銀に関する水俣条約」の発効に伴い,二〇二〇年以降,水銀含有製品の製造並びに輸出・輸入が原則禁止されることになったことについて,「水銀血圧計・水銀体温計は,現在も多くの医療機関や健診センター,看護学校,家庭などで用いられている.同条約の発効による,医療現場の混乱が危惧される」と指摘.
その上で,(1)医療機関や看護学校等が水銀血圧計・水銀体温計などの水銀廃棄物を適正に廃棄処理するための費用補助(2)一部の地域で実施している「水銀血圧計・水銀体温計の回収促進事業」の全国への拡大─の二点について,国としての対応を要請した.
これらの要望に対して,望月環境大臣は,一定の理解を示し,「環境省としても,しっかり対応していきたい」と述べた.
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