日医ニュース
日医ニュース目次 第1116号(平成20年3月5日)

診療科名の標榜方法が大きく変わります!

 本年4月1日より,標榜診療科名に関する抜本的な改正が行われる予定です.今回の改正は従来の診療科名の標榜方法を全面的に見直し,一定の性質を有する事項を包括的に規定する方式に改めるものです.
 「神経科」など,制度改正により標榜することができなくなる診療科名については,経過措置が適用されます.
 今号では,その改正内容について紹介します.〔関係する政省令・厚生労働省通知などが制定された場合は,後日,都道府県医師会を通じてお知らせするとともに,日医一般向けホームページ(>>>)にも掲載〕
 なお,今回の制度改正は,「総合科」とは,まったく関係はありません.

制度改正の背景・趣旨

 平成19年施行の医療法の改正等を踏まえ,患者や住民自身が自分の病状に合った適切な医療機関を選択することを支援するという観点から,診療科名について,一つひとつ決めていた従来の考え方を大きく変更し,一定の性質を有する事項を包括的に規定する方式に改めることによって,医療機関が標榜できる診療科名を相当程度拡大するものです.

〔問い合わせ先:日医地域医療第1課 TEL:03-3942-6137(直)〕

診療科名の標榜方法(医業)

現 在

○標榜することのできる診療科名を,一つひとつ規定.

内科,心療内科,精神科,神経科,呼吸器科,消化器科,循環器科,アレルギー科,リウマチ科,小児科,外科,整形外科,形成外科,美容外科,脳神経外科,呼吸器外科,心臓血管外科,小児外科,皮膚泌尿器科,性病科,こう門科,産婦人科,眼科,耳鼻いんこう科,気管食道科,リハビリテーション科,放射線科,神経内科,胃腸科,皮膚科,泌尿器科,産科,婦人科

<具体例>  
診療科名の標榜方法が大きく変わります!(図) 診療科名の標榜方法が大きく変わります!(図)

 

・以下は,あくまでも例示です.詳しくは,日医ホームページをご覧ください.
見直し後

○標榜の方法には大きく分けて,下記の3つがあり,病院・診療所は,どの方法でも標榜できます.
 また,下記の1,2,3の方法を組み合わせた標榜も可能です.
○今回の制度改正後も,診療科の標榜には,厚生労働大臣の許可などは不要です(「麻酔科」を除く).
「神経科」など,制度改正により標榜することができなくなる診療科名については,経過措置が適用されます.
 本年4月1日よりも前に標榜している場合は,引き続き,標榜することができます.

1 内科または外科
2

内科または外科と,a.臓器や体の部位,b.症状,疾患の名称,c.患者の特性(性別,年齢を示す名称),あるいはd.診療方法の名称とを,組み合わせたもの.具体的には,次の例のとおり.

内 科 外 科
呼吸器内科,循環器内科,消化器内科,血液・腫瘍内科(血液内科,腫瘍内科),糖尿病・代謝内科,内分泌内科,腎臓内科,神経内科,心療内科 呼吸器外科,心臓血管外科,消化器外科,乳腺外科,小児外科,気管食道外科 ※耳鼻いんこう科等との組み合わせも可能,肛門外科,整形外科,形成外科,美容外科,脳神経外科
3

単独の名称をもって診療科名となるが,2に示したa〜dと組み合わせても良いもの.

精神科,アレルギー科,リウマチ科,小児科,皮膚科,泌尿器科,産婦人科,産科,婦人科,眼科,耳鼻いんこう科,リハビリテーション科,放射線科,放射線診断科,放射線治療科,病理診断科,臨床検査科または救急科


<具体例>  
診療科名の標榜方法が大きく変わります!(図) 診療科名の標榜方法が大きく変わります!(図)

注意
上記のa〜dの内容は,医療法施行令,医療法施行規則,厚生労働省令で定める事項に限られます.
また,組み合わせの結果,「男性産婦人科」など,不合理な内容等であるものについては,診療科名として標榜してはならない事項として規定されます.

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