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第1078号(平成18年8月5日) |
第1回医療政策会議開催される
会長諮問は「国民の医療と財源のあり方」
日本医師会の三大会議の一つである,医療政策会議の第一回目の会合が,七月十九日,日医会館で開催された. 冒頭のあいさつに立った唐澤人会長は,「医療政策会議は,生命倫理懇談会,学術推進会議とともに日医の三本柱として,重要課題を検討する場になっており,日医の運営において大きな道筋を形作ってもらっている.国民の生命と健康を守るという日医の基本的な立場から,国民に対してどのように安心と安全を提供できるのかということを追求しなくてはならない」と述べ,本会議への期待を示した.その後,議長に黒川清日本学術会議会長,副議長に村山博良高知県医師会長を指名,黒川議長に,諮問「国民の医療と財源のあり方」を手交した.
議事に移り,平成十八年度は,隔月で会議を開催することが確認され,諮問を巡る今後の会議の進め方について検討が行われた.
審議を進めるに当たり,各委員からのヒアリングが行われた後,中川俊男常任理事は,「骨太の方針二〇〇六」が閣議決定されるまでに提起した日医の考えや,四・五月累計分の緊急レセプト調査(プレ調査)の結果などを,日医の定例記者会見等で使用した資料を用いて説明.社会保障費の増加額と国債・借入金残高増加には,相関性がないことを指摘するとともに,過大な医療費の増加予測を前提に抑制策を次々に打ち出す政府の姿勢を批判した.
議論のなかでは,黒川議長をはじめ各委員から,国民医療を擁護する日医の主張や活動が広く国民に周知され,理解を得るための手段として,広報戦略の重要性を指摘する意見が相次いだ.
また,答申の作成を待ってから実行に移す課題もあるが,議論のなかで合意が得られた事項については,随時実行していく方向性が示された.
九月二十七日に開催予定の次回会議では,「医療を巡る政治の動向および医療経済」をテーマに,委員による講演が行われるほか,広報戦略についても検討が行われる予定.
医療政策会議委員
飯塚 弘志(北海道医会長)
池上 直己(慶大教授)
碓井 静照(広島県医会長)
大久保吉修(神奈川県医副会長)
大道 久(日大教授)
黒川 清(日本学術会議会長)
酒井 國男(大阪府医会長)
神野 直彦(東大教授)
妹尾 淑郎(愛知県医会長)
田中 滋(慶大大学院教授)
永井 良三(東大附属病院長)
原中 勝征(茨城県医会長)
村山 博良(高知県医会長)
師 研也(宮城県医会長)
山口 二郎(北大教授)
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