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令和8年(2026年)10月20日(火) / 南から北から / 日医ニュース

風をまとい駆ける

 響きの良いタイトルを考えてみた結果、何について語りたいのか分かりづらくなってしまいましたが、風をまとって駆ける=オープンカーの勧めについて書きたいと思います。
 車社会の新潟県では、多くの皆さんがマイカーを所有していると思いますが、あえて屋根の無い車を選ぶという人は少ないと思います。かくいう私も、あの日のオープンカーとの出会いまでは、全くの食わず嫌い状態でした。車の性質上、避けては通れない「運転手が丸見え、目立つ」ということに対してのハードル・抵抗感が強く、「目立ちたがり屋が乗るもの」「乗り手のビジュアルも要求されるもの」「恥ずかしい」といったイメージがあり、当時の自分にとっては魅力を感じないどころか興味すらなかったと断言できます。そんな自分が、今や生活必需品と言っても過言ではないくらい、オープンカーのとりこになっています。その魅力や愛すべき欠点についていくつか語りたいと思います。
1.屋根を捨て、空とつながる
 オープンカーの最大の魅力は、何と言ってもその解放感にあります。閉めていた帆を開けた瞬間に訪れる柔らかな日差し、心地良くまとう風、その土地・ロケーション特有の香りは、得も言えぬ高揚感と解放感をもたらします。この圧倒的な体験の前では前述した「目立つ」「恥ずかしい」といったマイナスのイメージがいかに取るに足らないものであったかを誰もが実感するはずです。「単なる移動手段だった車」が、屋根を捨て風・光・香りをまとうことで意のままに操れる自分専用の貸し切りアトラクションに代わり、「目的地までの退屈な移動時間」だった時間が旅の目的、通勤の楽しみに変わるはずです。
2.日本の四季とオープンカー
 オープン走行が最も快適で楽しい季節は言わずもがな春と秋ですが、個人的に同じくらい好きなのは冬のオープン走行です。真冬の新潟を屋根全開で走っている人を見たら、おそらく大半の方が「き〇がい」と思うでしょうが、実はそうではありません。傍から見たら寒そうに見える運転手は、実際は「露天風呂状態」にあるのです。シートヒーター、エアスカーフ、暖房の車内循環+外気の侵入の軽減設計により運転手は頭寒足熱の状態にあり、まさに露天風呂に浸かっているような状態で運転ができます。冬の澄んだ空気を呼吸で感じながら、首より下はポカポカという至福のコンディションで新潟の雪景色を堪能できます。
 余談ですが、オープンカーは実は雨の日も帆を開けたまま走ることができます。一定の速度以上で走っている限りは運転席と助手席が雨に濡れることはありません。個人的な趣向も入るかもですが、オープンカーは帆を空けた状態こそが造形的に完成形である他、走行性能や乗り心地的にもオープン走行を前提として設計されていると聞きます。走行中に思わぬ悪天候に見舞われることは珍しくありませんが、帆を閉めずに走り続けることこそがオープンカーヘのリスペクトであると信じる私は、止まることが許されない(止まると雨を受ける)旅路を駆け抜けます。
 オープンカー食わず嫌いな方、興味はあるけどあと一歩が踏み出せていない方、恥ずかしくあり得ない!と考えている方、その先入観も、クルマの屋根も思い切って開け放ち、日常に新しい景色と彩りを加えてみませんか?

新潟県 燕市医師会通信「えん」 第34号より

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