

松本吉郎会長は8月5日の定例記者会見で、先月末に発生した「令和8年熊本地震」に対する日本医師会の対応などについて説明した。松本会長自身も9日に被災地入りすることを明かした上で、「被災地に医療を取り戻す」ことを最終目標に、熊本県医師会や全国の医師会と一丸となって、引き続き被災地支援に注力していく姿勢を強調した。
松本会長はまず、震災発生直後に災害対策本部を設置したことを改めて振り返った上で、8月4日には、全ての都道府県医師会に参加を拡大して対策本部会議を実施したことを報告した。
その上で、発災以降のこれまでの日本医師会の対応を時系列で説明した。
発災後、先遣JMATとして、横倉義典福岡県医師会常任理事のチームを現地に派遣し、医療支援の必要度などの分析・評価を行ったことを振り返った上で、「先月30日には、出口宝沖縄県医師会理事が率いる統括JMATを派遣して被災地域をまわってもらうと同時に、横倉先生と共に熊本県庁内にJMAT調整本部を早期に立ち上げていただいた」と説明した。
また、横倉常任理事と出口理事を、災害発生時に被災地で情報収集・評価を行うとともに、JMAT調整本部の立ち上げと統括を行う「本部統括JMAT」に任命したことに言及した上で、両先生による支援ニーズの評価を基に、31日にはJMAT派遣体制について、九州各県医師会から全国の都道府県医師会に派遣要請の対象を拡大することを決めたとした。
続いて、現在の現地におけるJMAT体制について詳説。「熊本県JMAT調整本部」を熊本県庁防災センターに設けている他、水足秀一郎熊本県医師会長を本部長とする「熊本県医師会災害対策本部」と、松本会長自身が対策本部長を務める「日本医師会災害対策本部」を設置しているとし、「JMAT本部長として、災害医療担当の藤原慶正常任理事を充てており、日本医師会事務局の職員もリエゾンとして派遣している」と述べた。
さらに、8月1日に被害が大きい宇城地区と八代地区において、福岡県医師会と鹿児島県医師会の統括JMATによって「JMAT調整地域本部」が立ち上げられたことも取り上げ、「統括JMATには、チームを交代しながら現地の医療ニーズの分析・評価、JMATの必要数の把握、DMAT等の関係者との連携に努めていただいている」と話した。
5日時点のJMAT派遣数は、本部に詰めるチームも含めて25チーム82人となっていることにも触れた上で、「今回は、早期の本部統括JMATの派遣、県庁や地域の調整本部の立ち上げ、派遣体制の早期判断など、令和6年能登半島地震の教訓を踏まえて強化したJMATの統括機能が発揮された」と評価した。
日本医師会では、統括JMATと熊本県医師会、47都道府県医師会と共に、毎日夕方にWEBミーティングを開催して情報共有に努めているとし、昨日のミーティングでは、「医療機関の水不足」「看護師等のマンパワー不足」「医療機関支援ニーズの把握」などが課題に挙げられたとした。
現状は、多数のJMATが必要なフェーズであるとしつつ、「そう遠くない時期に、支援が必要な地域に焦点を当てて、長いスパンで、しっかりとラインを組んでチームを送り続けるフェーズに移行する」と指摘。その上で、統括JMATの先生には、今後のチーム編成や派遣の在り方についても、状況を見極めて判断するように要請している点にも言及した。
震災対応は、JMAT活動だけではないとの見方も示し、全国の都道府県医師会長を始め、関係各方面に対して協力を要請してきたとし、「何より、高市早苗内閣総理大臣、上野賢一郎厚生労働大臣始め関係閣僚や議員の先生方には、苦しんでいる医療現場のため、私から直接、対応をお願いした。特に水の確保については、高市総理の指示により、現地に出張している厚労省などがよく対応してくれたと聞いている」と明かした。
現地入りした藤原常任理事は、各地の被災地を訪問し、熊本県医師会や各郡市医師会、政府の現地非常災害対策本部長を務めている津島淳内閣府副大臣や佐々木昌弘厚労省医政局長ら関係者と緊密に連絡をとっているとし、続いて、災害医療副担当で、能登半島地震の経験者である佐原博之常任理事が4日から現地での活動を展開しているとした。
さらに、熊本県医師会に対して日本医師会から緊急で見舞金1000万円を送ることや、JMAT派遣に協力してもらう都道府県医師会に対する費用の補助を決定したことに触れた上で、「更なる支援の拡大に向け、全国の都道府県医師会や郡市区等医師会、会員の皆様からの支援金の受付を開始した。受付期間は9月30日までとしている」と述べた。
また、以前から親交のある台湾医師会から、支援金として1000万円の寄付の連絡を受けているとし、謝意を示した。
寄せられた支援金ついては、熊本県医師会を通じて、被災した医療機関や医療従事者への支援に活用してもらう他、被災地における医療提供体制の維持・確保、被災者の健康と命を守るために役立ててもらうとした。
最後に、日本医師会では被災地の医療提供体制の復旧を支えていくことも考えていくとした上で、「医療の復旧がなければ、地域の復旧もない。医師会活動の最終目標は『被災地に医療を取り戻す』ことにある」と強調した。
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