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令和8年(2026年)2月5日(木) / 日医ニュース

中医協総会(1月9、14日)

 中医協総会が1月9、14日に都内で開催され、令和8年度診療報酬改定における賃金上昇、物価高騰への対応について議論が行われた。
 厚生労働省事務局からは昨年末に大臣折衝によって決定した診療報酬の改定率を踏まえ、以下のような案が提示され、その方向性が了承された。

《賃金上昇》

●外来・在宅や訪問看護については、現在のベースアップ評価料(Ⅰ)(Ⅱ)と同様、目標とする賃上げに必要な金額の中央値に基づいて、(Ⅰ)を設定し、それよりも相当多くの財源を要する事業所を対象に(Ⅱ)を設定する。
 また、その際には現行のベースアップ評価料の算定医療機関割合が4割程度であることを踏まえて、令和7年度の届出の有無により評価を分ける。
●入院については、現行の構造と同様、医療機関ごとに賃上げに必要な金額を算出し、外来・在宅ベースアップ評価料で得られる金額を控除した上で、延べ入院患者数で除したものを、入院1日当たりの評価とする。
 その際、令和6年度のベースアップ評価料及び令和8年度改定での賃上げ余力の回復・確保分については、入院料ごとの平均的な水準を入院基本料に統合することとし、令和6~7年度にベースアップ評価料を届け出ていなかった保険医療機関については減算等の対応をする。
 事務職員、40歳未満の勤務医師については、賃上げのための評価が適切に賃上げに活用されるよう、現在のベースアップ評価料の対象職種に新たに含めた形で、医療機関ごとに賃上げに必要な金額を算出してベースアップ評価料を届け出るとともに、全体として算定総額が賃上げに活用されることを必須とする。
 その際、40歳未満の勤務医師の賃上げに必要な金額の算出に当たっては、40歳未満の常勤の医師の人数に一定額を乗じることとする。
●名称については、医療従事者の人材確保や処遇改善のために必要な費用である趣旨が分かりやすく表現されるよう、看護職員処遇改善評価料、現在のベースアップ評価料及び令和8年度以降の評価の名称を統合することも含め、名称のあり方について考える。

《賃上げに向けた簡素化》

 その他、幅広い医療機関の賃上げに向けた簡素化等として、以下の作業負担の軽減策が示された。
●届出に必要な事項を厳選して簡素化を図るとともに、賃金改善計画書を廃止した上で、実績の把握を結果の検証や翌年度に向けた検討に生かすため、算定年の8月頃に賃上げ状況の中間報告、算定終了後の8月頃に算定額と賃上げ額に関する実績報告の提出を求めるようにする。
●現在、算定区分の再計算を3カ月に1回求めているが、再計算は従事者数や診療回数・日数に大きな変動があった時のみ任意に行うこととする。
●同一法人が複数の病院・有床診療所・薬局を有する場合には、これらを通算して給与総額や賃上げ総額を算出した上で、事業所ごとの報酬総額等の指標で按分(あんぶん)することを認める。

《物価高騰》

●外来診療に対する物価上昇への対応方法として、令和6年度診療報酬改定以降の、経営環境の悪化への対応分については、初・再診料など(訪問診療料、初・再診料の評価が包括される診療報酬項目も含む)の増額として対応し、令和8年度以降の物価上昇への対応については、昨年末の大臣折衝事項で「診療報酬に特別な項目を設定する」と盛り込まれている点を踏まえ、初・再診時などに算定可能な「物価上昇に関する評価」を新設する(令和8、9年度で段階的に対応し、評価は令和9年度は令和8年度の2倍とすることを想定)。
●入院診療に対する物価上昇分への対応としては、令和元年の消費税補填(ほてん)における対応も参考としつつ、特定機能病院、急性期、回復期、慢性期、精神にグループ分けし、そのグループごとの入院料の物件費率等を基に、入院料ごとの一人1日の入院診療報酬に占める物件費を算出して、入院料に上乗せする評価を設定する。
●高度機能医療を担う病院(大学病院を含む)への特例的な対応分については、その趣旨に沿って、そうした機能を担う病院への評価に上乗せする。
●入院診療に対する令和6年度改定以降の経営状況の悪化に対する対応については、令和7年度補正予算による支援の考え方を踏まえ、回復期、慢性期、精神については1日当たり定額を配分し、急性期については財源を一体化した上で、特定機能病院、急性期病院、その他の急性期の3類型への配分額を算出し評価する。

各医療機関が理解しやすい内容に―江澤常任理事

 これらの提案について、江澤和彦常任理事は厚労省が示した方向性は大臣折衝事項を反映したものだとして「異論は無い」と述べるとともに、各医療機関ができるだけ理解しやすい内容とするよう要望。また、手続きの簡素化については「特に外来・在宅ベア評価料(Ⅱ)で求められる」との考えを示した。

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