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令和7年(2025年)11月5日(水) / 日医ニュース

ICTの世界

 ICTの世界が広がってきている。大学の内視鏡医は、他県の医師に遠隔で指導してもらい内視鏡手術を行った。救急医は、遠隔でICUがつながれば、離島などへき地からの搬送も激減できると教えてくれた。私の市でも、基幹病院と中小病院、診療所、薬局、介護施設がつながり大変便利になった。朝一で「○○さんが入院しましたので診療情報を送って下さい」という連絡が激減した。制約はあるものの、検査データの閲覧ができるから、薬局から疑義照会、検査データの問い合わせも減った。
 当院は地方の無床クリニックで、募集してもなかなか人が来ない。そこで2年前から小さなICT化を図った。一部はスマートフォンで予約して問診を済ませ、受付もカードでピッ。問診もタブレットでポンポンとタップ。血圧も自動測定にして、採血や検尿結果なども電子カルテに飛ぶ。初回やリスキーな人以外、大腸検査の前処置説明は動画での説明を参考に自宅で服用して来院。もし迷ったら、スマホでQRコードから動画を見直すことが可能。看護師からも「随分と楽になりました」と言われて一安心。
 ところがある日の患者さんとのやり取り。「先生、看護師さんと話がしたかった」「その分僕が話してあげるから」「ここでは先生が一番暇ね」「そんなわけないでしょう」と話が弾んだ。そう言われて意地もある。更にICTを進めて「何でも遠慮なくご相談下さい」とコンシェルジュ看護師を待合に立たせてみたい(夢のまた夢)。

(グレートさくら)

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