閉じる

令和7年(2025年)2月20日(木) / 日医ニュース

500倍

 国境なき記者団による「世界報道自由度ランキング」(2024年)によると日本は70位であり、G7で最下位だとされている。スポンサー等への忖度(そんたく)の影響が大きいなどと解説もされているが、個人的にはあまりピンときていなかった。
 しかし、最近は芸能界や選挙などに関して、「オールドメディア」と呼ばれることもあるテレビや新聞などの偏向報道を指摘する話を耳にすることも多く、なるほどと感じる機会が増えた。
 アメリカやルーマニアの大統領選のSNS戦略など、裏話的な情報などもインターネット上にあふれていて、いったん見始めると面白く、つい都市伝説的なものまで見てしまい、睡眠不足になることがある。
 「皆が信じていることが真実」という現象がネット時代特有の問題であるとされているが、情報統制するのがオールドメディアからネットに移行してきただけであり、そこは昔からあまり変わらないような気もする。
 AI技術の急速な進化により、情報の生成・拡散スピードは劇的に加速し、ネット上の情報量はわずか数年で500倍にも増加したとも聞く。ネットリテラシーが大切だと言われるが、急ピッチで増え続ける情報を的確に処理できる人は、果たして世の中にどのくらいいるのだろうか?
 エビデンスに基づいた情報であるか否かが大切なのは分かるが、個々の案件についての真偽を調べるほどの情熱もないし、そんな暇を持て余してもいない。これからも一層気を付けながら、増え続ける情報に緩く付き合っていきたい。

(巌)

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる