令和4・5年度会内委員会答申・報告書(全文は日本医師会ホームページ「メンバーズルーム」に掲載)
医療安全対策委員会はこのほど、松本吉郎会長からの諮問「医療事故調査制度における院内調査のさらなる充実に向けて」に対する答申を取りまとめ、紀平幸一委員長(前静岡県医師会長)並びに上野道雄副委員長(福岡県医師会参与)から、松本会長に提出した。
本委員会では、医療事故調査制度における「院内調査」の質を上げるための方策を手引書として取りまとめる取り組みを前々期から続けてきたが、今期の委員会でもその作業を継続し、その結果を冊子「院内調査の要点2024」として取りまとめた。
冊子は「1.はじめに」「2.本書がめざす院内調査のあり方について」「3.医療施設における院内調査の具体的な手順」「4.医療事故調査における各関係者の役割」「5.医療施設の管理者・幹部、医療安全管理者として押さえておくべき基本的事項」で構成されている。
「はじめに」の中では、診療現場の力を十分に活用して、当該医療施設が一丸となって調査を進めていく必要があるとし、この点を院内調査における最も強調すべき基本理念とすべきとした上で、「2.本書がめざす院内調査のあり方について」では、本書に基づく院内調査が実施された場合の効果として、「医療事故につながりかねない危うい診療環境の早期発見と改善」「国民からの医療に対する信頼感の向上」などを挙げている。
「3.医療施設における院内調査の具体的な手順」では、実際の院内調査における一般的な対応手順と注意点について時系列に説明。「4.医療事故調査における各関係者の役割」では、特に主体的に役割を果たすことが求められている支援団体と、医療施設の管理者等の幹部について、初期段階でのそれぞれの役割について触れられている。
また、「5.医療施設の管理者・幹部、医療安全管理者として押さえておくべき基本的事項」では、「関係者からの情報の収集と整理」「仮説検証(鑑別診断)」「関係者との面談・聴き取り」「遺族との面談」に関して、注意が必要なことなどについて触れられている。