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令和6年(2024年)7月5日(金) / 日医ニュース

より多くの医療機関が手挙げできる「かかりつけ医機能報告」とするよう要請

 社会保障審議会医療部会が6月7日、都内で開催され、日本医師会から角田徹副会長、城守国斗常任理事が出席した。
 来年4月に「かかりつけ医機能報告」が施行されることを受けて、現在、「かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会」(以下、分科会)では、医療機関に求める報告内容などについて活発な議論が行われているが、医療部会でも改めて議論が行われた。
 厚生労働省事務局からは5月24日に開催された分科会において、医療機関に報告を求めるかかりつけ医機能の内容のうち、医療法で規定した「継続的な医療を要する者に対する発生頻度が高い疾患に係る診療その他の日常的な診療を総合的に行う機能」(いわゆる1号機能)については、三つの案(①患者・住民にとっての分かりやすさを考慮し、症状への対応を基本とした案②診療科などを基本とした案③診療科や専門領域、症状対応などの縛りは設けない案)を示したことなどに関して説明が行われた。
 その後の議論では、1号機能が大きな焦点となった。角田副会長は、「かかりつけ医機能報告」が1号機能をもつ医療機関に対して、2号機能(時間外診療、入退院支援、在宅医療、多職種との連携等)の有無の報告を求める制度設計になっていることに対して、「多くの医療機関に手挙げをしてもらい、かかりつけ医機能をもつ医師の裾野を広げていくためには、1号機能の要件を、報告対象が限定されるようなものにするべきではない」と主張。更に、患者の訴える症状と医師の判断が異なる場合もあることを指摘し、医療現場に混乱を招くことにならないよう求めるとともに、現場の医師は標榜科を超えた領域に対応できるので、"診療領域"がより分かりやすいとした。
 城守常任理事は、当日の議論において、「かかりつけ医報告」(「機能」を抜いて表現)との発言があったことに触れ、今回議論されているのは「かかりつけ医機能」の報告に関する制度設計についてであることを改めて強調。また、「かかりつけ医機能報告」の目的は、患者の医療機関選択に資することにあるものの、最終的な目標は地域で必要なかかりつけ医機能を確保することにあり、多くの医療機関が手挙げできるような制度にすべきであるとした。
 その他、同常任理事は「相談」と「診療」は異なることを明確化し、まずは医師に何でも相談できることを要件とするよう要望した。
 これに対し、他の委員からは一次診療を行うことができる症状を報告内容とするよう求める意見も出され、日本医師会等の診療側の委員らとの意見が対立。引き続き、分科会で議論が行われることになった。

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