アルゴドマニWMA会長(中央)、フィリップWMA次期会長(右から2人目)
アルゴドマニWMA会長(中央)、フィリップWMA次期会長(右から2人目)
世界医師会(WMA)理事会が4月18日から20日を会期として、ソウル(韓国)で開催された。
日本医師会からはWMA理事として、松本吉郎会長、角田徹副会長(WMA理事会副議長)、今村英仁常任理事、ジュニアドクターズネットワークから岡本真希医師が出席した。全体の参加者は、36加盟医師会及び国際機関等から約180名であった。
17日には、理事会に先立ち、角田副会長がWMA理事会副議長として財務担当グループ及びWMA役員会に出席し、今村常任理事がヘルシンキ宣言改訂作業部会に出席した。
理事会では、緊急案件として「イスラエルとガザのヘルスケアの保護に関するWMA理事会決議」等が採択され、プレスリリースされた。
理事会における主な審議結果は下記のとおりである。
理事会での主な審議結果
(1)緊急決議
「欧州人権裁判所(ECHR)規則39条の差し止め暫定措置を無視した移民の扱いについての英国での法案に関するWMA理事会決議」
「ガンビアにおける女性性器切除解禁法案の即時撤回を求めるWMA理事会決議」
「ウガンダの反LGBTQ法制定に関するWMA理事会決議」
「イスラエルとガザのヘルスケアの保護に関するWMA理事会決議」
本決議は、WMAがガザで深刻化する医療と人道危機、医療不足、人質の投獄と虐待について懸念していることを示すとともに、WMA理事会と構成会員は、必要とする全ての人々のために人道支援を提供できるようにするための二国間交渉による持続可能な停戦、人質に対する人道支援と医療ケアの提供、国際人道法と医療の中立の原則を遵守し、医療施設、医療従事者、患者の権利と保護を更なる脅威から守ることなどを求めるものとなっている。
(2)医の倫理委員会関係
ヘルシンキ宣言改訂作業部会議長より、10月のヘルシンキ総会での改訂版採択に向けて、引き続き地域会議、パブリックコメントを基に議論していくとの報告があった。
(3)財務企画委員会関係
オトマー・クロイバー事務総長より、役員会で2026―2030年のWMA戦略計画についての議論を行っているとの報告があった。
今後の会議開催日程:
●2024年10月16―19日ヘルシンキ総会(フィンランド)
●2025年4月24―26日モンテビデオ理事会(ウルグアイ)、10月8―11日ポルト総会(ポルトガル)
その他
16日には2024韓国医師会グローバルフォーラムが「グローバルヘルス問題に対する医師の役割と責任」をテーマとして、韓国医師会で開催された。
角田副会長は世界医師会理事会副議長として出席し、「現在の医療ヘルスケア問題:ローカル対グローバル」をテーマとしたセッションで「日本の医療状況と日本医師会の活動について」と題する講演を行うとともに、パネルディスカッションに参加した。