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令和6年(2024年)4月5日(金) / 日医ニュース

令和6年度介護報酬改定内容について説明

令和6年度介護報酬改定内容について説明

令和6年度介護報酬改定内容について説明

 第22回都道府県医師会介護保険担当理事連絡協議会が3月7日、日本医師会館とWEB会議のハイブリッド形式で開催された。
 連絡協議会は、担当の江澤和彦常任理事の司会で開会。冒頭、あいさつを行った松本吉郎会長は、今回の介護報酬改定に関して、「令和5年度介護事業経営実態調査結果において全サービス平均で前年度比マイナス0・4%となるなど、厳しい状況の中での診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の同時改定となったが、令和6年度介護報酬改定率が介護職員の処遇改善分等を含むプラス1・59%に決定されたことは、十分に満足できるものではないものの、多くの先生方のご尽力のおかげである」として、謝意を示した。
 その上で、今後については、「今回のトリプル改定では、医療、介護、福祉の連携の必要性がこれまで以上に示されており、日本医師会としてもより一層の地域連携を図り、地域を面で支えられるよう、関係者の皆様と共に実効性のある体制整備に向けた取り組みを進めていきたい」とした。
 続いて、江澤常任理事が令和6年度介護報酬改定内容等について説明を行った。
 同常任理事は、まず、介護老人福祉施設、介護老人保健施設の令和4年度決算の平均収支差が、初めて前年度比でマイナスとなったこと等、令和5年度介護事業経営実態調査結果について概説。また、大臣折衝事項において、今回の介護報酬改定の処遇改善分について2年分を措置し、3年目の対応については実態把握した上で、令和8年度予算編成過程で検討するとされていることなどを紹介した。
 改定の議論については、「地域包括ケアシステムの深化・推進」「自立支援・重度化防止に向けた対応」「良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり」「制度の安定性・持続可能性の確保」を基本的視点として、各サービスの基準や報酬が検討されたことを説明。その上で、(1)居宅療養管理指導、(2)訪問介護、(3)訪問看護、(4)訪問リハビリテーション、(5)通所リハビリテーション、(6)居宅介護支援、(7)小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護、(8)介護保険施設―などについて、主に医療に関連する内容を紹介した。
 訪問リハビリテーションに関しては、令和6年3月末までとされていた診療未実施減算の適用猶予期間が令和9年3月31日までに延長された他、その期間中においても事業所外の医師が「適切な研修の修了等」の要件を満たしていることを事業所が確認することが義務付けられていることに注意を促した。
 また、医療と介護の連携の推進の視点からは、介護老人福祉施設の配置医師緊急時対応加算等の評価が見直された他、介護保険施設等においては、診療や入院受け入れ等を行う体制を確保した協力医療機関を定めることが義務化(経過措置3年間)され、1年に1回以上、協力医療機関との間で利用者の病状の急変が生じた場合等の対応を確認するとともに、協力医療機関情報を自治体に提出することとなったこと(特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護等は努力義務)などを紹介した。
 更に、高齢者施設等における感染症対応力の向上として、ポストコロナにおける感染症対策に係る評価の見直しが行われ、新興感染症の発生時等に感染者の診療等を実施する医療機関(協定締結医療機関)と連携体制を構築し、研修、訓練に年1回参加した場合の加算が新設されたことを説明。「平時から協力医療機関、介護施設、配置医師やかかりつけ医、在宅医等が顔の見える関係で連携することを各地域でしっかりと構築していくことが今後の新興感染症にも有効である」として、その実践を求めた。
 総括を行った茂松茂人副会長は、トリプル改定であったことでさまざまな連携の評価がなされたことに触れ、「医療提供側としても介護保険制度の理解を深め、高齢者を見守ることが重要になっている」とするとともに、地域包括ケアシステムの構築のためにも本協議会の内容の周知が必要だとして協力を求め、協議会は終了となった。参加者は、現地とWEBを合わせて、各都道府県医師会の担当理事を始めとする87名。
 なお、当日の資料及び映像は日本医師会ホームページ「メンバーズルーム」に掲載されているのでご活用頂きたい。

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