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令和5年(2023年)2月5日(日) / 南から北から / 日医ニュース

料理

 私が料理に興味をもち始めたのは、ステイホームが言われるようになった頃の、「BENTO EXPO」というNHKのテレビ番組でした。国際放送で人気の番組が、地上波でも放送されるようになり、何気なく見ていたのです。いろんな国のキャラ弁が紹介されているのですが、その中で実際に料理をするコーナーがあるのです。それを見てますと何か簡単そうで、自分もできそうな気にさせてくれるんですよ。
 それで、ある日妻に弟子入りを決意しまして、台所での研修を開始いたしました。野菜を切るところから始まり、調味料の調合などご指導頂きました。そのうち、フライパンもやらせてもらうようになり、生姜焼きなど焼くようになりました。
 当初はフライパンで油を熱してから肉を投入して、かき混ぜていたのでありましたが、私なりに文献的考察を加え、今ではフライパンが冷たい状態のまま油をひき、肉を並べて、かき混ぜず、弱火でゆっくり加熱するようにしております。この方法は、食材の細胞を壊さず、うま味を逃がさずに柔らかく仕上げるやり方だそうで、魚や野菜にも応用可能です。一度お試し下さい。
 少し経験すると、いろいろ興味が沸いてきて、情報を集めるようになります。テレビ、新聞などで毎日のように料理のレシピが紹介されています。中でも、私はNHKの「今日の料理」が一番好きであります。昭和32年から60年続いている番組でして、亡母もよく見ていました。今の「今日の料理」は、格式張ったところが無く、私のような料理初心者も十分楽しめる内容となっております。季節の食材を扱ったり、定番メニューでもちょっとした工夫を加えてくれますので、少しレベルが高いです。それを見てると、作りた~い! 食べた~い!と、自然に思うようになります。
 そこで、妻と「今度何食べようか」という話になった時、「あそこでやってた○○を作ってみよう」という会話をするようになります。以前は、「何でもいいです」という感じでしたので全然違いますね。土曜日に買い物に出掛け、夕方から作ります。サクラマスのソテー、ブリの金砂粉掛けなど作りました。大概、おいしくできます。これをやりますと、ただの夕食が、週末の体験イベントに様変わりします。レパートリーもどんどん増えます。
 また、食事に出掛けた時も、「この食材はどこで手に入れるんだろう?」とか、「どうやって調理してるんだろう?」という話が出るようになりました。お寿司屋さんでは刺身の切り方、ステーキ屋さんでは肉の焼き方を細かく観察しております。とあるお店の蕎麦湯を使ったシャブシャブがおいしかったので、早速まねしております。エビの頭やシッポを塩して揚げると、ビールのお供に良いということも、他店から仕入れました。
 コロナで不自由な暮らしとなっていますが、悪い事ばかりじゃありません。楽しみを見つけて、暮らしていきたいと思います。

新潟県 新潟市医師会報 NO.614より

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