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令和4年(2022年)9月5日(月) / 「日医君」だより / 日医ニュース

地域医療を支える看護職の養成に関する要望書を厚生労働省医政局長に提出

地域医療を支える看護職の養成に関する要望書を厚生労働省医政局長に提出

地域医療を支える看護職の養成に関する要望書を厚生労働省医政局長に提出

 釜萢敏常任理事は、8月4日に厚労省を訪問し、榎本健太郎医政局長に「地域医療を支える看護職の養成に関する要望書」を手交した上で、会談を行った。
 今回の要望書は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大及び長期化が看護職の養成にも大きな影響をもたらし、地域では、入学希望者の減少や財政難等により、継続を断念する医師会立看護師等養成所が増えるばかりでなく、経済的に困難な学生も増え、各地の養成所から支援を求める声が多く寄せられたことを受けて、取りまとめたものである。
 具体的には各養成所が運営を継続できるように、(1)医師会立等看護師等養成所の財政的支援、(2)経済的に困難な看護学生への支援の充実、(3)実習施設の確保に関する働きかけ、(4)看護職希望者の増につながるような積極的な広報活動―の4項目の実現を求めている。
 会談の中で、釜萢常任理事は、まず、「看護職の養成に関してご理解頂き、指定規則や運営ガイドライン等の策定においても現場の意見を踏まえて改善してもらった」として、感謝の意を示した。
 その上で、看護職の養成において、地域の医師会立看護師等養成所の卒業者は地元就業率が高く、地域の医療・介護を支えているものの、受験者数や医師会立看護師等養成所数が減少しているとして、その現状や看護師等養成所運営費補助事業の補助基準額の変遷等の資料を基に説明。地域医療介護総合確保基金の拡充と「標準単価」の見直しとともに、学校法人立の養成施設と同等の財政的支援を求めた。
 また、看護職を目指していても経済的に困難であるという人が看護職の資格を取得できるよう、各種奨学金制度の拡充や専門実践教育訓練給付金の要件緩和を要望するとともに、コロナ禍での実習に関して、看護学生等へのPCR検査等に対する補助の他、看護職の希望者が増えるよう国からの積極的な広報活動を求めた。
 これらの要望に対して、榎本医政局長は一定の理解を示す一方で、養成所の財政支援については、「平成29年に国が示した標準単価は参考値であり、実際には各都道府県の裁量になる」と述べ、「都道府県と相談の上、地域医療介護総合確保基金を有効に活用して欲しい」とした。
 また、養成施設の支援について、「耐震化については医療施設等耐震整備事業、看護学生への支援については修学資金貸与事業の活用を各都道府県に相談して欲しい」と述べるとともに、文部科学省が行う支援の枠組みについても今後周知に努める考えを示した。
 更に、専門実践教育訓練給付金については、「労働者の雇用安定・就職の促進に資するかどうかの観点の枠組みであるため、進学者に関する要件緩和は難しいが、ハローワークの職業訓練事業(ハロートレーニング)として養成するなど、別途工夫の仕方があるのではないか」と述べた他、実習施設におけるPCR等検査の費用については、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が利用できることを都道府県に通知したとして、その活用を提案した。
 その他、両者は、看護職希望者の増加に向けた広報の強化について意見が一致し、今後協力していくことを確認した。
 なお、当日は日本准看護師推進センターが取りまとめた「准看護師試験受験手数料の見直し」に関する要望書も資料と共に手渡し、説明を行った。

◆地域医療を支える看護職の養成に関する要望書提出について(8月10日 定例記者会見)

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