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令和4年(2022年)4月13日(水) / 「日医君」だより

医療関係者検討委員会報告書まとまる

 医療関係者検討委員会の報告書が3月31日、岡林弘毅委員長(高知県医師会長)から中川俊男会長に提出された。

 本報告書は、会長諮問「withコロナ時代における医療人材の確保」を受け、取りまとめられたものである。

 内容は、(1)看護職員の確保と医師会立看護師等養成所の役割、(2)医師会立看護師等養成所における遠隔授業の活用、(3)改めて、准看護師の役割を考える、(4)今後の医療・介護人材の確保、(5)終わりに―からなっている。

 (1)では医師会立看護師等養成所の現状を説明するとともに、その役割に関しては各地域の実例(北海道、栃木県、岐阜県)を紹介。また、看護職の志望にも新型コロナウイルス感染症は影響を及ぼしているが、医療・看護への関心が高まっている今こそ、看護職の魅力・やりがいをアピールしていく必要があるとしている。

 (2)では、財政的、人材的に厳しい状況が続く中で、ICTの活用が大きな役割を果たすことが期待されるとして、近隣の養成所同士をテレビ会議システムでつなぎ、授業を共有化することを提案している。

 (3)では、診療の補助技術の習熟度を上げることが必要だとするとともに、その技術を医師あるいは看護師の指示の下、確実に実施することで、医療職としての役割を十分担えることを改めて強調。そして、病床の機能分化が図られる中で、診療所はもちろん、慢性期医療を担っている病院や介護施設などが、准看護師がその能力を発揮し活躍する場として考えられるとしている。

 (4)では、2030年までに多くの地域で医療需要はピークを迎える一方、2040年に高齢化のピークを迎える中で、介護需要は今後ますます増えることを踏まえ、医療界においても地域の特殊性を考えつつ、早急に対策を考える必要があると指摘している。介護人材については、アジア諸国も少子化で海外に人材を出せる状況になくなっていること、また新興感染症の出現により入国ができない事態なども考えると、国内人材の確保に向けて引き続き努力を続けていく必要があり、小中高校生に対して介護職の素晴らしさや理解を深める教育を行うことや、勤務環境や待遇の改善を怠ってはならないとしている。

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