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令和4年(2022年)3月20日(日) / 日医ニュース

職場での母性健康管理の重要性に共通理解を図る

 令和3年度都道府県医師会事務局長連絡会が2月25日、WEB会議により開催された。
 松本吉郎常任理事の司会で開会。冒頭、あいさつした中川俊男会長は、令和3年度に退職する都道府県医師会の事務局長へ感謝と労(ねぎら)いの言葉を掛けた上で、女性の社会進出により、妊娠中や出産後も働き続けることを望む女性が増加し、SDGsの目標の一つに「ジェンダーの平等」が掲げられていることに言及。「国や企業ではさまざまな対策を行っているが、少子化が進行しているわが国においては、職場でも女性の母性が尊重され、働きながら安心して出産・育児のできる環境を整備することが重要な課題になっている」とし、出席者に対して、女性の母性健康管理に関する理解を深め、より良い職場環境づくりに向けた一層の取り組みを求めた。
 その後は、「働く女性の母性健康管理」と題し、溝田景子厚生労働省雇用環境・均等局雇用機会均等課ハラスメント防止対策室長が、主に(1)男女雇用機会均等法における母性健康管理の措置、(2)労働基準法における母性保護規定等、(3)不妊治療と仕事との両立―について講演を行った。
 (1)では、厚労省が発行しているパンフレット『働く女性の母性健康管理のために』を基に、①保健指導または健康診査を受けるための時間の確保②指導事項を守ることができるようにするための措置(母性健康管理指導事項連絡カードの改正、新型コロナウイルス感染症に関する措置)③妊娠・出産等を理由とする不利益取り扱いの禁止④職場における妊娠・出産等に関するハラスメントの防止措置―について詳しく説明した。
 (2)では、産前産後休業、妊婦の軽易業務転換や妊産婦等の危険有害業務の制限などといった保護規定を概説した他、生理休暇に関しては、「取得率が低い状況にあるが、必要な方が請求できることが重要であり、今後も企業に対して周知・啓発を図っていきたい」との考えを示した。
 (3)では、不妊治療と仕事の両立の難しさや、不妊治療中であることを知られたくない人への配慮などといった課題があると指摘。その対策として、「行動計画策定指針」の改正や「くるみん認定制度」の基準の追加、両立支援等助成金等の対応方針を取りまとめていることを報告した。

「日本医師会Web研修システム」の活用を求める―松本常任理事

 引き続き、松本常任理事が、「『日本医師会Web研修システム』の都道府県医師会等への提供」について説明を行った。
 同常任理事は、①都道府県医師会等においても本システムを利用できる(令和5年3月31日までは使用料無料)ようになった②現在、「認定産業医に係る研修会」「健康スポーツ医に係る研修会」「日医かかりつけ医機能研修制度応用研修会」「母子保健講習会」「生涯教育講座」などで活用が可能である―ことを報告。コロナ禍においても継続的に必要な研修会を実施していくことの重要性を強調し、都道府県医師会にその活用を求めた。
 その他、同常任理事は2024年4月からの医師の時間外労働時間の上限規制等の適用開始に向け、都道府県及び全ての医療機関を対象に、その準備状況や規制の適用により見込まれる地域医療提供体制への影響について把握することを目的として、厚労省が調査を実施することになったことを説明。各医師会の事務局長に対しては、「都道府県庁から医師会に対して、本調査に関する問い合わせがあった場合には担当理事とも相談の上、医師派遣が中止された場合の地域医療への影響を始め、さまざまな懸念事項をぜひ、伝えてもらいたい」と要望した。
 なお、令和3年度に退職する、千葉時胤(岩手県)、馬場義文(福島県)、浅井秋彦(長野県)、森貴志(静岡県)、谷口直樹(鳥取県)各県医師会事務局長には、後日、各県医師会長から感謝状が贈呈されることになっている。

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