宮川政昭常任理事は昨年12月21日に開催された令和3年度第9回理事会で、日本医師会が昨年8月に「令和4年度医療に関する税制要望」として取りまとめた18項目のうち、与党が12月10日に決定した「令和4年度税制改正大綱(自由民主党・公明党)」に盛り込まれた項目等について報告を行った。
日本医師会では、要望事項の取りまとめ後にその実現に向けて、厚生労働省を始め関係各方面に働き掛けを行うとともに、与党税制調査会での検討に向けて、要望活動を継続的に行ってきた。
その結果の概要は、次のとおりである。
(1)制度の存続として、「社会保険診療報酬に係る事業税非課税」「医療法人の自由診療等部分に係る事業税の軽減税率」及び「社会保険診療報酬の所得計算の特例措置(いわゆる四段階税制)」が認められた。
(2)制度の拡充として、「地域医療構想実現に向けた税制上の優遇措置の拡充」が実現。厚労大臣が認定した再編計画に基づく再編統合のために取得した用地・建物について、現行の登録免許税の軽減措置に加え、不動産取得税の軽減措置が設けられることとなった。
(3)関連項目として、賃上げ率などに応じて税額控除を認める「所得拡大促進税制」につき、適用要件を見直しの上、中小企業者等は税額控除率最大40%へ、大企業(中小企業者等以外)は税額控除率最大30%へ拡充された。
(4)国民の健康の観点からの「たばこ税の在り方」については、長期検討項目として引き続き検討されることとなった。