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令和3年(2021年)11月5日(金) / 日医ニュース / 解説コーナー

医療問題Q&A

長島公之常任理事長島公之常任理事

長島公之常任理事長島公之常任理事

 今号では、オンライン資格確認に関する会員からの質問に対して、担当の長島公之常任理事に回答してもらった。

Qオンライン資格確認の本格運用が10月20日から開始されましたが、全ての医療機関はそのことに従わなければならないのですか?

A 長島:まず、医療機関におけるオンライン資格確認の導入は義務ではなく、10月20日の本格運用開始に伴って導入が強制されるわけではありませんので、ご安心下さい。
 令和3年3月までにカードリーダーを申し込みされた医療機関は特に、早期導入を前向きにご検討頂きたいと考えていますが、現在、世界的な半導体不足により、システム事業者(ベンダー)が必要な機材を調達できないケースや、ベンダーの経験不足等で、導入に関する適正な見積もりが取得できないケースが発生しています。
 こうした状況は、時間経過により解消されていくと考えられますので、慌てることなくベンダーとご相談頂き、内容や費用等にご納得の上、導入を進めて頂くようお願いいたします。
 将来的に全ての医療機関にオンライン資格確認が導入されれば、全国の医療機関が安全につながる医療専用のネットワークが構築されることになります。このネットワークは、今後のデータヘルスの基盤として、医療機関にさまざまなサービスを提供するために活用される予定です。
 日本医師会としては、このネットワーク基盤の活用が、患者さんへの安全・安心で良質な医療提供につながるとの考えから、オンライン資格確認の推進に協力しています。
 オンライン資格確認導入に係る費用については、医療情報化支援基金による補助が受けられます。同補助金は、令和3年3月末までにカードリーダーの申し込みを行った場合は補助上限額(病院:190万3000円~210万1000円、診療所:42万9000円)までの全額補助、4月以降に申し込みを行った場合は補助上限額までの割合補助(病院:2分の1、診療所:4分の3)となります。
 ただし、補助金を受給するには、令和5年3月末までに導入、利用開始することが必要となります。
 日本医師会では、今後も希望する全ての医療機関が無理なく導入し、運用を継続できるよう、導入補助の拡充やランニングコストに関する支援を引き続き国に要望して参ります。
 なお、日本医師会ではホームページのメンバーズルーム内に、ベンダーの高額見積もり事例等、オンライン資格確認に関するご相談窓口を設けています。必要に応じて厚生労働省と情報共有し、働き掛けを行って頂きますので、ぜひ、情報をお寄せ頂きますよう改めてお願い申し上げます。
■日本医師会「オンライン資格確認等システム導入に関する相談窓口」
https://www.med.or.jp/japanese/members/info/jirei.html
■オンライン資格確認・医療情報化支援基金関係「医療機関向けポータルサイト」
https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/

キーワード:オンライン資格確認とは
181105e2.jpg 全国民の被保険者資格履歴を一元的に管理し、患者のマイナンバーカードや健康保険証を基に、加入している医療保険などをすぐに確認できる仕組み。
 厚生労働省は、この仕組みを導入することによって、期限切れの健康保険証での受診で発生する過誤請求や手入力による手間等の事務コストが削減できる他、本人の同意を得た上で、医療機関や薬局において特定健診等の情報や薬剤情報を閲覧できるようになるとしている。
 当初、今年3月の本格運用を目指していたが、保険者が登録した加入者データの一部誤りや医療現場でのシステム改修の遅れなどの影響で、10月まで延期されていた。

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