新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、地域の医療体制を維持する観点から設置されている宿泊療養施設は、当地区でも欠かせないものとなっていた。
宿泊療養施設の1日は早い。入所者100名程、全員の健康観察を行うためには、朝7時から始動する。朝のバイタル、睡眠状況、健康状態を館内電話で聞き取る。聞き取った情報を担当医師に報告し、その結果を県の調整本部に報告する。
10時からは退所者の対応を行いながら、要注意者の健康観察を再び行う。必要な場合はその都度入院手配。
13時からは調整本部から届いた本日の入所者リストを確認し、入所受け入れを行いながら、全員の健康観察を行う。
18時から担当医師と健康状態を再チェックし、再度入所者の健康観察。業務終了は21時。この作業を看護師5名程で行わなければならない。当然、事務担当、ホテルスタッフの支援の下でだが、スケジュールは過密だ。
対面ではなく聞き取りによる状態把握には、やはり苦労する。入所者の皆さんは病状、家族、仕事や学校、時には閉所空間に置かれるなど不安でいっぱいで、不安による頻回の電話にも丁寧に対応しなければならない。傾聴し、必要な時には部屋の前まで訪問する。宿泊療養施設での心のケアは更に大切である。
一方、困った事案も多い。喫煙、飲酒、脱走、入院拒否など説得にも時間を要する。
感染対策に配慮しながら、地域の医療体制を守るために献身的に働いている療養施設スタッフの皆さんに、心から感謝したい。
(隆)