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令和3年(2021年)9月5日(日) / 日医ニュース / 解説コーナー

日本医師会かかりつけ医診療データベース研究事業(J-DOME)にご参加を!

感謝状を持つ中川会長感謝状を持つ中川会長

感謝状を持つ中川会長感謝状を持つ中川会長

 日本医師会では、わが国の生活習慣病対策の一つとして「日本医師会かかりつけ医診療データベース研究事業(略称J-DOME ジェー・ドーム)」を実施しています。かかりつけ医の症例データを収集し、今後の診療の向上につなげる事業です。
 全国の会員の先生方の本事業へのご参加をお待ちしています。

概要

 新型コロナウイルス感染症への対応で医療従事者の大変なご尽力の日々が続いていますが、国民の生活習慣が変化する中、かかりつけ医の役割は以前にも増して重要になっています。
 J-DOMEは日本医師会が進めるかかりつけ医機能の強化に向けた取り組みの一つです。その目的はリアルデータを使って糖尿病と高血圧の診療を更に向上させ、重症化予防を推進することにあります。
 具体的には、下記のとおり、定期受診している糖尿病と高血圧の患者の症例をご登録頂き、年1回配布される集計・分析のレポートをご覧頂ける仕組みとなっており、症例データを分析して全国の診療の傾向も把握できます。
 また、参加施設には、院内掲示して頂けるように、日本医師会から感謝状を送付しています。

事業の概要
・通常の診療の中で、WEB または記入用の用紙を使って自院の患者さん(2型糖尿病・高血圧)の症例をご登録頂く
・診療の集計・分析結果をレポートとして年1回個別にフィードバックする
・年1回更新され、専門医との連携・紹介にも使えるリアルデータを診療の向上を図るために利活用頂く

参加の実際

210905n2.jpg J-DOMEの対象疾患は2型糖尿病と高血圧です。定期受診されている患者の口頭同意を得て、通常の診察、投薬を行い、そのデータを登録頂きます。
 登録項目は基本情報、検査値、処方薬の種類、喫煙などの問診情報、合併症や併発疾患の有無などです。
 J-DOMEではホームページ(https://jdome.jp)を開設しており、そちらに参加方法とWEB症例登録方法をご紹介していますので、ご参照下さい。
 なお、WEB上での入力が基本ですが、紙の登録用紙も利用できます。入力情報は匿名化して専用サーバに安全に保管しています。

データの活用

 入力頂いたデータは集計・分析し、全ての協力医療機関に、個別にJ-DOMEレポートと呼ぶ報告書をお返ししています。

210905n3.jpg
 このレポートを見ることで、全国の先生方の処方内容や症例の検査値が分かり、自院のデータとの比較を通じて振り返りができます。専門医と非専門医(一般医)の症例の比較が可能で、診療のトレンドも分かります。
 もともと、わが国では診療所のプライマリケアの診療データが不足しており、診療所の生データの分析とフィードバックは、今までの大規模研究でも行われていない新しい試みです。
 例えば、HbA1c、外来血圧、家庭血圧、中性脂肪などを含む検査値、新薬を含む処方薬、専門医と一般医の処方、塩分摂取、合併症・併発疾患などの変化を一目で把握することができます。
 一方、J-DOME症例データを用いた症例研究も進めています。直近では、コロナ禍での受診控えの影響を検証するため、症例の血糖コントロールの状態(HbA1c値)をコロナ前の値と比較しました。結果は、受診回数が減少した症例は、受診回数が変わらない症例と比較してHbA1c値が有意に悪化しており、コロナ禍においても受診を継続することの重要性が示唆されました。
 今後、集積されたデータは医療政策に役立つエビデンスとしても活用することが可能と考えます。そのためにも全国各地で参加施設を増やし、悉皆(しっかい)性を更に高めていくことが重要です。

ぜひご参加下さい

210905n4.jpg 一人でも多くの先生方に本研究事業にご参加頂くため、本年7月18日に開催した「日医かかりつけ医機能研修制度令和3年度応用研修会」では、今村聡副会長がJ-DOMEの紹介を行うなどの活動も行っています。
 参加希望の先生方は、J-DOMEのホームページからご参加下さい。
 J-DOME事業の拡大に向けて、ご協力をよろしくお願いいたします。

先生ご自身で始めてみませんか?
 資料請求・参加ご希望の先生はJ-DOMEホームページをご覧頂くか、J-DOME事務局までご一報下さい。

問い合わせ先
TEL:03-3942-7215 E-mail:jdome@jdome.jp

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