中医協総会が7月7日、WEB方式により開催され、次期診療報酬改定のための「意見の整理」取りまとめに向けて、主に(1)外来、(2)コロナ・感染症対応―について、議論が行われた。
(1)では厚生労働省事務局から、論点として①初・再診料等②かかりつけ医機能③生活習慣病対策④外来機能の分化の推進⑤医療機関間の連携⑥オンライン診療―が示された。
②について城守国斗常任理事は、かかりつけ医機能のあるべき姿を高め、一層の充実と普及を図るため、「日本医師会かかりつけ医機能研修制度」を実施していることを説明。次期改定でも、さまざまな患者・国民のニーズを踏まえた、かかりつけ医機能一つひとつの評価の充実を図るよう求めた。
また、かかりつけ医機能のあり方に関連して、支払側から「かかりつけ医の制度化」を求める意見が出されたことに対しては、「フリーアクセスは担保すべきであり、かかりつけ医を制度化することには反対する」と述べるなど、強く反論した。
一方、⑥について、城守常任理事は「あくまでも対面診療が基本であり、オンライン診療はそれを補完するものである」との日本医師会の考えを改めて説明。今後の議論に当たっては利便性への評価に偏るのではなく、安全性を基本に議論するよう求めた。
この問題については支払側からも「ビジネス的に利用されることはあってはならない」といった意見も出された。
コロナに対応するための診療報酬上の特例の継続を要望
(2)では、「新型コロナウイルス感染症に対応するための診療報酬上の特例」等について、検討が行われた。
特に、令和3年度に実施された薬価改定(中間年改定)の改定財源を活用することで導入された小児の外来診療に係る評価(6歳未満の乳幼児の外来診療において、診療科を問わず感染予防策を講じた場合の評価として導入された乳幼児感染予防策加算100点)や、各医療機関で全ての患者の診療において必要な感染予防策を講じることの評価(医科外来等感染症対策実施加算5点、入院感染症対策実施加算10点)については、本年9月までの時限的措置とされ、10月以降には、乳幼児感染予防策加算は縮小、医科外来等感染症対策実施加算と入院感染症対策実施加算は延長しないことが基本の想定とされている。
その一方で、感染状況や地域医療の実態等を踏まえ、年度前半の措置を単純延長することも含め、必要に応じて柔軟に対応することも示されていることから、10月以降の扱いが議論となった。
城守常任理事は、「新型コロナウイルス感染症の感染が収束したとしても、医療機関が今後も万全の感染対策を講じていくことを考えれば、当然継続していくべきである」と述べるとともに、「基本診療料に包括して評価していくことも検討すべき」と主張した。
松本吉郎常任理事も、基本診療料のみでは現在の地域医療体制の維持は困難であるとして現在の特例的な対応の継続の必要性を訴えた。
これに対して、支払側からも「今後も継続するならばエビデンスを蓄積した上で議論すべき」など、前向きな意見も出されたが、結論は出ず、引き続き議論していくこととなった。
なお、乳幼児感染予防策加算や医科外来等感染症対策実施加算等の特定措置の延長に関しては、日本医師会としてその継続を政府与党に対して強く求めていくことにしている。