令和3年(2021年)2月5日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース
「令和2年度新型コロナウイルス感染症患者等入院受入医療機関緊急支援事業補助金」の内容を解説
松本吉郎常任理事
日医定例記者会見 1月13・20日
松本吉郎常任理事は、新型コロナウイルス感染症患者の受入病床の更なる確保を目的とした「令和2年度新型コロナウイルス感染症患者等入院受入医療機関緊急支援事業補助金」の内容等について解説した。
同補助金に関しては、昨年12月25日に「確保病床数に応じた補助」について、また、本年1月7日に、「緊急的に新たに受入病床を確保する観点からの加算」について、それぞれ厚生労働省から事務連絡等が発出されているものの、医療現場からは補助の対象経費などが分かりにくいとの指摘が出ていた。
今般、日本医師会から厚労省に申し入れを行った結果、従来のQ&A等では不明確だった部分をより明確にしたリーフレットが1月18日に発出されたとして、その内容を次のように説明した。
「補助基準額(補助上限額)」における「確保病床数に応じた補助」では、①重症者病床数×1500万円②その他病床数×450万円③疑い患者病床数×450万円を上限として補助があり、昨年12月24日以前から継続している確保病床も対象となることが重要である。
「緊急的に新たに受入病床を確保する観点からの加算」としては、新型コロナ患者の重症者病床及びその他病床に対して緊急事態宣言が発令された地域においては、昨年12月25日から本年2月28日までに″新たに"割り当てられた確保病床数×450万円、それ以外の地域では、確保病床数×300万円が加算される(疑い患者病床については加算されない)。
申請期限は2月28日
「補助の対象経費」は、昨年12月25日から本年3月31日までに掛かる「新型コロナ患者等の対応を行う医療従事者の人件費」及び「院内での感染防止対策や診療体制確保等に要する経費(補助基準額の3分の1が上限)」であり、概算で申請可能であるが、期限は2月28日までとなっている。
同常任理事はまた、リーフレットの裏面に掲載されているQ&Aの中の4点についても解説した。
「新型コロナ患者等の対応を行う医療従事者の人件費」の対象に関しては、新型コロナ対応のために新規職員を雇用する人件費だけでなく、従前から勤務する職員を含めた新型コロナ対応手当も対象となり、同手当については、「1日ごとの手当、特別賞与、一時金等の方法により支給することが考えられる」と述べた。また、従前から勤務する職員も含め、新型コロナ患者等への対応に伴う時間外勤務手当は対象になることを補足した。なお、本記者会見後、1月25日の改正により、従前から勤務する職員の基本給も、当該職員の処遇改善を行う場合は補助対象となった。
今後更に見直される可能性もあり、最新の情報は日本医師会や厚生労働省のホームページで確認願いたい。
また、新型コロナ患者を受け入れる病棟の医療従事者のみならず、外来部門や検査部門等において、新型コロナ患者及び疑い患者の対応を行う医療従事者も対象になると説明。
新型コロナ対応手当の額や支給する職員の範囲については、「治療への関与や院内感染・クラスター防止の取り組みへの貢献度合い等を考慮しつつ、あくまでも医療機関が決定でき、手当の額に傾斜をつけることも可能」であり、医療資格を有していない、例えば事務職員でも対象になり得るとした。
「院内等での感染拡大防止対策や診療体制確保等に要する経費」の対象については、消毒・清掃・リネン交換等の委託料は人件費としては対象にならないものの、感染拡大防止対策や診療体制確保等の経費としては対象になり得るとした上で、「同経費については、感染防止対策に要する費用に限らず、院内等での感染拡大を防ぎながら地域で求められる医療を提供するための診療体制確保等に要する費用も幅広く対象になる。
更に、二次補正予算による「医療機関・薬局等における感染拡大防止等支援事業」等では、日常診療に元々掛かっている経費も含め、幅広く対象になり得ることが厚労省のQ&Aでも示されているが、今回の補助金についても対象経費に関する考え方は同じであることを紹介。「補助基準額の3分の1という上限はあるが十分に医療機関で活用し得る」とした。
同常任理事は最後に、「日本医師会として、新型コロナと闘う医療機関にとって本当の助けとなる支援が実現されるよう、引き続き政府に働き掛けていく」とするとともに、受け入れ体制の確保に向けて、引き続き地域の医師会並びに医療機関に協力を呼び掛けていく方針を示した。
※その後、改正により、従前から勤務する職員の基本給も、当該職員の処遇改善を行う場合は補助対象とされました(1月25日改正)
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