日医は2月13日、国からの要請を受けて、横浜の大黒ふ頭に停泊中のクルーズ船に、JMATを派遣することを決定し、翌14日から派遣を行った。
同船で新型コロナウイルス感染症(以下、COVID―19)の感染が広がりを見せていることを踏まえ、日医ではその感染を防ぐためにはどのような対策が必要であるのか、自見はな子厚生労働大臣政務官らと協議を続けてきた。
本来、JMATは地震や台風などにより、地域医療に甚大な被害が発生した場合、地域医師会の要請を受けて派遣するものであるが、今回は国からの要請もあり、その特例として行うことになったものである。
派遣に当たっては、日医から地元の神奈川県医師会、横浜市医師会、川崎市医師会に協力を要請。各医師会では、14日の午後から連日複数の医師、看護職員や事務職員を派遣し、日本環境感染学会の災害時感染防御支援チーム(DICT)の協力の下、感染防護対策を講じた上で、船内でCOVID―19を発症していない人達に対するヘルスチェックを行った。
横倉義武会長は、今回の派遣に当たって、「急な派遣要請にもかかわらず、会員の先生方の派遣を引き受けて下さった菊岡正和神奈川県医師会長、水野恭一横浜市医師会長、岡野敏明川崎市医師会長並びに実際に活動して下さる先生方に深く感謝申し上げる」と述べるとともに、日医としても派遣される医師らの活動を全力でバックアップしていく考えを示した。
クルーズ船を自ら訪問―横倉会長
2月15日の午後には、横倉会長自ら同クルーズ船を訪問(写真)。自見政務官から船内の現状について説明を受けた他、JMAT神奈川のメンバー、厚労省やDMATを始めとする対策本部の方々ら一人ひとりに声を掛け、その労をねぎらうとともに感謝の意を伝えた。
なお、対象者の拡大に伴い、日医では16日、追加の派遣要請を行い、18日には千葉県、東京都のJMATが活動。20日をもって、今回の派遣を終了した。
問い合わせ先
日本医師会地域医療課 TEL03-3946-2121(代)