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平成29年(2017年)4月20日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

「働き方改革実行計画」に対する日医の見解を示す

日医定例記者会見 3月22日・29日

 横倉義武会長は、3月28日に政府の働き方改革実現会議が公表した「働き方改革実行計画」について、日医の見解を示した。
 横倉会長は、まず、働き方改革について、過重労働が問題となる医師の健康を守り、働く環境を改善していくためにも、その実現に協力を惜しむものではなく、これまでも勤務医の健康支援等に取り組んできたと説明。
 その上で医師に関して、罰則付き上限規制の施行に5年の猶予が設けられ、2年間をめどに「質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指す方策」について検討するとされたことに対しては、「検討の場において、地域医療に混乱を生じさせることなく、円滑に新制度を導入するための具体策が検討されることを望む」と期待を寄せた。
 また、「今回の議論で、多くの患者さんや国民から『医師が労働者であるということは違和感がある』との声をたくさん頂いた」として、「この機会に、そもそも医師の雇用を労働基準法で規律することが妥当なのかについても、抜本的に考えていきたい」との考えを示した。
 医師の応招義務については、「『たとえ勤務時間の規制に抵触しようと、目の前の患者を救って欲しい』というのが、多くの国民の思いであり、医療者の思いでもある」と強調。「これらの諸課題を解決するためにも、厚生労働省内に設置予定の検討の場に日医としても参加し、積極的に議論をリードしていきたい」と述べた。
 また、横倉会長は、本件と関連して、「労働時間短縮のために医師を増員すること」についても議論となることが予想されるとして、「医師の増員に関して議論するのであれば、診療報酬の財源の手当についても、併せて検討すべき」との考えを示した。
 最後に、横倉会長は、「本計画の中では、『治療と仕事の両立に向けて、主治医、会社・産業医と、患者に寄り添う両立支援コーディネーターのトライアングル型のサポート体制を構築』と明記されていることから、今後ますます、かかりつけ医の役割が重要になる」として、「日医としても、引き続き、かかりつけ医の育成に力を注いでいく」と強調。更に、病気の治療と仕事の両立に当たっては、「産業医・産業保健機能の強化が重要である」として、「日医では、長年にわたり産業医の育成に力を入れてきたが、治療と仕事の両立支援における産業医の能力向上や相談支援機能の強化にも、引き続き取り組んでいきたい」と述べた。

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