あなたのため、そばにいる人のため 禁煙は愛

禁煙は身体への愛

たばこうと
さまざまな健康被害
原因

  • 喫煙は百害あって一利なし
  • 呼吸器感染症の重症化リスクが高い
  • 喫煙に関する病気で亡くなる人は年間19万人
  • たばこにはニコチン、タール、一酸化炭素などの有害物質が含まれる

たばこが原因になる病気は、
がんだけではない

喫煙は体の細胞の遺伝子や器官を傷つけ、がんの他、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気管支喘息などの呼吸器疾患、糖尿病などの生活習慣病、さらに歯周病などさまざまな病気の原因になります。

また妊娠中の喫煙は、血流を介しておなかの赤ちゃんにも影響し、早産や低出生体重児などが起こるリスクを高めます。しかも妊娠に気づきにくい初期は、胎児の内臓をつくる細胞が成長する大事な時期ですので、妊娠前から喫煙をやめ、たばこの煙を避けるようにしましょう。

口の中の病気にも
気をつけて!

喫煙していると歯周病にかかりやすいことも分かっています。

歯周病が怖いのは、進行すると歯を失う原因になるだけでなく、全身の健康にも影響することです。

その他、ヤニで歯が黄色くなる(写真)、ひどい口臭がするなど、美容やエチケット面でもマイナスばかりです。

お口の健康のためにも、禁煙したいものですね。

喫煙によって歯周病にかかってしまった50代女性
(写真:日本歯周病学会提供)

たばこが関係する主な病気

喫煙が喫煙者本人に影響を与える病気は科学的にも証拠があり、喫煙との因果関係が十分にあると推定される病気を「レベル1」、「レベル1」ほど十分でないが因果関係が示唆される病気を「レベル2」として公表されています。

レベル1に分類されている
病気
はレベル2)

(注1)妊婦の喫煙との関連

喫煙の健康影響に関する検討会編:「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」(平成28年8月)より作図

喫煙は呼吸器感染症の
重症化リスクも高める

世界に感染が広がった新型コロナについては、非喫煙者と比べて、喫煙者の方が重症化するリスクが高かったことが明らかになっています。

また、その他にも喫煙者は呼吸器に関する病気にかかりやすいという報告もあります。

非喫煙者と比べた
喫煙者のリスクは・・・

*1 Guo FR. J Med Virol. 2020; 92: 2304‒5.

*2 Lawrence H, et al. J Infect. 2019; 79: 401‒6.

*3 Han L, et al. Epidemiology. 2019; 30: 405‒17.

*4 Alraddadi BM, et al. Emerg Infect Dis. 2016; 22: 49‒55.

*5 Nam HS, et al. Int J Infect Dis. 2017; 58: 37‒42.

*6 Baskaran V, et al. PLoS One. 2019; 14: e0220204.

新型コロナの後遺症にも
喫煙が関与

新型コロナの罹患後に人々を苦しめる後遺症の症状についても喫煙が発症を高めるリスクとなっていることが各国で報告されています。

新型コロナの後遺症と喫煙の関連

  非喫煙者と比較した喫煙者の発症確率
中国*1 中国*11.55倍
イスラエル*2 イスラエル*21.53倍
イギリス*3 イギリス*38.39倍

*1 Wong MC, et al. JMIR Public Health Surveill. 2023; 9: e42315.

*2 Tene L, et al. Int J Infect Dis. 2023; 128: 3‒10.

*3 Paul E, et al. BMC Public Health. 2022; 22: 1716.

知っていますか?
日本の喫煙による死者は、
毎年19万人

喫煙者の死亡率は非喫煙者より高く、国内で喫煙に関連する病気で亡くなった人は年間で19万1)世界では年間500万人以上と推定されています。喫煙は、一時の至福感と引き換えに、自分の寿命を削っているのです。

日本人では20歳より前に
喫煙を始めると、
男性は8年、女性は
10年も寿命が短縮しま2)

厚生労働省:健康日本21(第三次)の推進のための説明資料(令和5年5月)

Sakata R, et al. BMJ. 2012; 345: e7093.

早く禁煙すればするほど、
寿命を取り戻せます

35歳~40歳で禁煙すれば喫煙前の余命を取り戻すことができます。また、50歳で禁煙しても6年、60歳なら3年寿命を延ばすことができるといわれていま3)禁煙はいつから始めても遅すぎることはありません。先送りせず、禁煙する気になった時がやめ時です。

Doll R, et al. BMJ. 2004; 328: 1519.

たばこによる体への影響

たばこには発がん性物質など数千種類の物質が含まれています。たばこの煙を吸い込むたびに、気管や肺はこれらの有害物質にさらされ、炎症を引き起こしているのです。

たばこの
三大有害物質

  • ニコチン 体内に吸収されると血管を収縮させて血液の流れを悪くします。それが繰り返されるうちに動脈硬化や高血圧となり、心臓や血管に負担がかかることで脳卒中や心血管関連の病気になることもあります。
  • タール いわゆる「たばこのヤニ」のことです。タールが付着した体や服、室内などからたばこ臭が発生しますし、喫煙によって歯が黄色になるのもタールが原因です。発がん性物質や発がんを促進する物質が数十種類以上含まれています。
  • 一酸化炭素 一酸化炭素は赤血球のヘモグロビンと結合する力が強く、ヘモグロビンが運ぶはずの酸素を奪ってしまうため、体に取り込む酸素が低下し、動脈硬化を促進させます。