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泣きやまない、いつもと違う泣き方 

子どもが泣くシーンは、どんなとき?

 悲しいとき、嬉しいとき、悔しいとき、痛いときなど、人が涙を流すシーンは様々です。
 子どもの場合には、さらに「不安があるとき」「寂しいとき」「おなかがすいたとき」「甘えたいとき」「うんちやおしっこをしたいとき」「眠いとき」などが、泣くシーンとして加わります。
 泣き方も様々で、声の強弱、音程、イントネーションなど、状況によって違っています。
 感情表現で泣く場合にも様々です。
 親しい人が亡くなった場合、3歳を過ぎれば泣きます。友達や、お世話になった先生との別れには、自然と涙が出てくるでしょう。運動会やお遊戯会で一生懸命練習した結果、うまくいったときは、うれし泣きします。
 迷子になったとき、みんながいなくなって独りぼっちになったときには、寂しさから泣くこともあるでしょう。
 豊かな感情は人間らしさです。「泣く」ことは決して悪いことではありません。様々な状況で涙を流すことで成長し、人として成長する過程でもあります。 おなかがすいたとき、眠いとき、うんちやおしっこをしたいときに泣くのは、生理的欲求の表現の一つでしょう。こんなときおとなが気づいて対応してあげないと、子どもは不安になり、人間不信にもなってしまいます。声をかけ、きちんと対応することが大事です。

病気が原因で泣いているとき

■熱があるとき
 元気で遊んでいた子どもが静かになり、ゴロゴロしながらお母さんに寄り添い、なぜか泣くことがあります。そんなときに注意して観察していると、徐々に熱が上がることがあります。
 子ども自身が、自分の体に何か変化が起こっていることを感じて不安になり、泣くことはよくあります。そんな子どもが近づいてきたら抱いてあげましょう。抱けば熱にも早く気づくことができます。

■痛いとき
 痛みを伴う原因は様々です。最もわかりやすいのは、ケガをしたときです。しかし、おとなが目を離していたときのケガは気づけないこともあり、何故泣いているか判断に迷うことがあります。

・腕を動かせずに泣いているとき
 肘内障という言葉をご存知ですか?子どもが転んでひじを打ったり、とっさに上肢をひっぱると、ひじの関節がずれて動かなくなることがあります。俗に言う「ひじがはずれた」という状態です。肘内障の整復は、早ければ早いほどよいです。
 腕を動かせずに泣いているときには、これを疑ってみてください。

・おなかが痛いとき
 便が出ないときなどは、子どもは強く泣きます。痛みが強いので早く診断して浣腸をすれば、すぐに回復します。
 大変なのは腸重積。腸重積は、腸の中に腸が入り込んで腸閉塞を起こした状態です。吐いたり、便が血で赤くなっていればすぐ病院に連れて行きましょう。しかし、その前兆として「子どもの様子がなんとなくおかしい」という状態が見てとれるはずです。
 基本は周期的な痛みです。急に痛みが来て泣き、少し痛みが遠ざかるとケロっとします。少し経過すると、また同じように痛みが来て泣きます。
 この病気はできるだけ早く診断しないと、おなかを切る手術になることがあるので、早い対応が必要です。
 同じように早い診断が必要なものに、鼠径ヘルニアがあります。気づかないでいると、腹膜から出た内蔵が戻らなくなる状態、すなわち「かんとん」になることがあります。緊急を要する事態です。
 また、ごく希なことですが、男の子では睾丸が、女の子では卵巣がくるりと回って「茎捻転(けいねんてん)」という状態になることがあります。時間が経過すると循環が悪くなり、睾丸や卵巣が非常に大きくなってショックを起こすことがあるので要注意です。

・頭が痛いとき
 頭が痛い場合にも「痛い」と言えなくなるほど泣き叫ぶことがあります。一般的に、頭が痛いときには甲高い声で泣きます。頭を打ったのに外傷がないときには、頭蓋内に出血していることもあるので、子どもがどう過ごしていたかも、よく把握してください。

泣きやまない場合の対応

 子どもが感情的なことから泣くときは、親が抱いたり声をかけると泣きやみますが、病気のときには泣きやみません。衣服を脱がせて全身を観察してください。
 ケガをしていないかどうか?、おなかのあたりが張っていないかどうか?、どこか色がおかしくなっていないか?、これらを見ることで何かわかるはずです。
 子どもが泣きやまないときには、やはり医師の診察を受けるのが一番です。特に問題がなければよいのですが、場合によっては重大な病気が隠れていることもあるからです。
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