皮膚の色がおかしい
皮膚の色は何が決めるのか
皮膚の色は、皮膚の表面を流れている毛細血管の色を反映しており、正常ではピンクがかった色をしています。貧血があれば、皮膚は白っぽくなります。酸素の少ない血液が流れていれば、紫色になります。これをチアノーゼと言います。毛細血管は、自律神経によって流れる量を調整しています。毛細血管が収縮すれば皮膚は白っぽくなり、熱や吐き気があるとき、自律神経の調子が悪いときなどは、皮膚は白っぽくなります。直接空気に接している顔や手足などの皮膚は特になりやすいのです。
肌の色が白っぽくなるとき
○鉄欠乏性貧血
鉄は赤血球の大事な要素です。鉄が不足すると貧血になり、その結果顔色が悪くなります。急速に発育する乳幼児期や思春期は鉄不足になりやすく、牛乳の飲み過ぎは鉄欠乏による貧血になりやすいため、注意が必要です。
○起立性調節障害
起立性調節障害は小学生以上の子どもに多く、時に年長時にも疑われることがあります。いわゆる子どもの自律神経失調症で、症状は顔色が青白いことが多いです。寝起きが悪く、夜になると元気になる夜型タイプの子どもに多いと言われています。
部分的に変色しているとき
いわゆる「あざ」と言われるもので、皮膚の色が部分的に変色していたり、部分的におかしいと思われるものです。あざには赤あざ、青あざ、茶あざ、黒あざ、白あざがあり、生まれつきのものから、成長とともに出てくるものがあります。赤あざには、血液の赤の色で血管が多くなるイチゴ状血管腫や単純性血管腫があります。青、茶、黒はメラニン細胞が集まった結果で、その皮膚の深さで色が異なります。青あざの代表が蒙古斑(もうこはん)です。急にできるあざに内出血があります。外傷性の内出血は、活発な子どもによくあることですが、ときに虐待による内出血があるため、保育者はなぜあざができたのかを常に気遣う必要があります。
はっきりした外傷性の原因のがない場合は、病気を疑います。あざができる病気は、まれな血液の病気である場合があります。血管性紫斑病(しはんびょう)は、下肢に特徴的な出血斑ができます。関節痛や腹痛を伴うことが多く、点状出血は激しく泣いた後、顔にできることがありますが、血小板が少ないときにも点状出血があります。
急にいろいろなところの皮膚にでき、赤く盛り上がった地図のような発疹は「じんましん」です。一般的には食べ物によると思われがちですが、子どものじんましんの原因は、はっきりしないことが多いのです。一週間もすればほとんどが消えますが、1か月続いたり、消えてはまた出るを繰り返すこともあります。