おむつかぶれ
おむつかぶれとは?
おむつかぶれはおむつの着用部にできる接触皮膚炎で、アレルギーが原因ではありません。赤ちゃんが排尿、排便をすると当然おむつがぬれます。同時におむつに接している皮膚も水分過剰の状態になり、皮膚がぶよぶよになった結果、皮膚が刺激に弱くなるのです。
おむつの中に尿や便が長くある状態が続くと、アンモニアが原因でアルカリ性になります。アルカリ状態の皮膚は便中の酸素との相乗効果で傷つきやすくなり、便が軟らかいほどその傾向が高まります。
このことから以下の予防法が考えられます。
(1)頻繁におむつ交換をしましょう。
(2)高温、多湿の環境を改善し、排便、排尿をしておむつ交換した際は空気にさらし、乾燥させましょう。
(3)軟らかい下痢便の状態を改善しましょう。
(4)おまたを清拭(せいそう)、洗浄し、常に清潔に心がけましょう。
おむつの交換時は柔らかいタオルやガーゼ、脱脂綿を使い、熱い湯ではなく微温湯または水でしぼって優しく清拭します。そのとき外陰部だけでなく、おむつの当たる皮膚まできちんと拭くことが大切です。市販されているおしりふきは刺激性があり、皮膚を傷めやすいのであまり勧められません。特に下痢をしているときは、おむつかぶれになりやすいので頻繁に交換はするようにし、交換したら水やシャワーで流すようにしてください。その後おむつかぶれ用の軟膏を塗っておくと予防にも効果的です。
おむつを選ぶ
おむつは、触ったかんじが柔らかく、スムーズで、通気性のよい物を選びましょう。布おむつから紙おむつに移行する時代、どちらがおむつかぶれになりやすいかという激論が交わされましたが、こまめに替えることが何より肝心なようです。使い捨ての紙おむつを使っている人が、もったいないと言って交換の回数を少なくすることは、赤ちゃんの気持ちを分かっていないということです。
紙おむつはメーカーによって形が微妙に違います。もれや動きにくさを感じたら、ピッタリのサイズになるよう変更しましょう。
布おむつの場合はライナーを使いますが、子どもの皮膚はデリケートなので、このライナーでかぶれてしまう子もいるようです。布の場合はよりこまめに様子をみて、頻繁に替えてあげるようにしましょう。
乳児寄生菌紅斑
おむつかぶれの一種とも言われていますが、厳密には違うものです。カンジタという真菌(カビ)による感染症です。おむつかぶれは接触皮膚炎なので、おむつと接触する皮膚が赤くなります。一方、乳児寄生菌紅斑(にゅうじきせいきんせいこうはん)は真菌というカビによるものなので、おむつと接触しない、シワの溝も赤くなるのです。さらに、おむつかぶれは赤くなった境界線が連続的ですが、乳児寄生菌紅斑ではカビが飛んで付着するため、境界線がぷつぷつと点状になります。
一般的におむつかぶれ用の軟膏には、原則ステロイドが入っていません。しかし即効性に対する期待が高いため、市販のものであってもわずかに入っている物があります。ステロイドは皮膚自体の免疫反応を抑えて炎症を鎮めるものです。カビがついてしまったにも関わらず免疫反応を抑えてしまうと、カビはどんどん増殖してしまうのです。おむつかぶれとの違いに気づかず、乳児寄生菌紅斑の症状に対してステロイドを使用すると、かえって悪化してしまうので細心の注意を払うようにしてください。